マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


最近の記事

過去の書評などを遡って書いたりするので、最近一週間分くらいの更新を表記しておきます。

『ほんとにあった! 呪いのビデオ』40

評価:3.5

『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズ第40巻。もはやどれがどれだか、どこまで観たのかもあやふやになる本数である。

前回の『ほんとにあった! 呪いのビデオ』39まで、執拗に続いていた「心霊博士」の関係するシリーズは、今回は登場しない。なので、単発モノとして楽しめる回である。ちょっと寂しくはあるけれど。

今回紹介される映像は以下の通り。

「社員旅行」

10年以上前の社員旅行の映像。旅館の部屋ではしゃぐ社員たち。カメラが窓を捉えたときに映り込んだのは……。

硫化水素

引っ越したばかりの友人宅にカップルで押しかけて携帯電話で動画を撮り続けるというちょっと変わったシチュエーション。事故物件だということで部屋のあちこちを見て回っていると、突然女の子が……。

「うつりこむ眼」

雪祭り会場でカップルが撮った映像。彼のメガネに一瞬何かが映り込む。

「自然発火」

今作のメイン。とあるインターネット通販で買った椅子が自然発火するという。販売した家具店に取材すると、制作したメーカーはもう廃業したというのだが。

「夏の川原」

川原で花火をする男女の映像に妙な姿が映り込む。

「ハウススタジオ」

大学の映画サークルがハウススタジオで撮影した映像。カメラワークが斬新(そういう話ではない)。

「シリーズ監視カメラ レンタルオフィス

レンタルオフィスからひと気がなくなった瞬間に映ったものは……。

「夜の池」

自宅近くの池で撮影中、友人が突然池に飛び込むのだが。

「続・自然発火」

制作メーカーの廃業を追って取材をするスタッフが辿り着いたのは。

『ほんとにあった! 呪いのビデオ』39

評価:4.0

「廃アパート探検」
深夜の廃アパート。かつて父親が幼い娘を風呂に沈めて殺した現場として有名だという。
そんな廃アパートを探検するカップルだったが、女性の方がある一室で隣の部屋から声が聞こえると言い始める。
その声を求めて隣の部屋の風呂場に行くものの、何も聞こえない。
もう帰ろうという女性に従って部屋を出ようとしたところ、すりガラスのドアの向こうに『呪怨』の子どもの霊のような姿が映っていた。

「放火」
一人暮らしをしている姉の部屋を携帯のビデオで撮影する投稿者。
ユニットバスを撮影中に、部屋の明かりが突然落ちる。
一瞬、部屋が明るくなってなったかと思うと、撮影者の後ろに白い女性の顔が映っていた。
そのアパートでは、放火されて焼死した女性がいたというのだが。

「仏像」
友人の家の近所にあるお寺の有名な仏像を見に行く男性二人。
カメラのフラッシュで、仏像に顔のように見えなくもない影が映っている。

「赤子」
投稿者が赤ちゃんの頃の映像。
布団に横になっている赤ちゃんの左目が、異様に大きく黒いアーモンド状のものに置き換わるような映像。
その中には何かが映っているように見えなくもないが、よくわからない。

「狂死のビデオテープ 蛮行」
『ほんとにあった! 呪いのビデオ』30の『人形を見つめる眼』で初登場した「心霊博士」だが、まさかここまで壮大なシリーズになるとは思っていなかった……。
再登場するのは『ほん呪』36の『恨眼』。投稿した映像がなかなか採用されないことに腹を立てた「心霊博士」が、黒く塗った鳥の死骸が入った段ボール箱を事務所の前に置き、スタッフを呪い殺すというメッセージとともにビデオを投稿してきたのだった。
そこから定番シリーズとなり、『ほん呪』37の『狂死のビデオテープ 胎動』ではその「心霊博士」が元予備校講師・浅野(仮名)であることが明らかになり、精神を病んで自殺してしまっていたことが判明する。さらに、浅野が送ってきていたビデオテープをよこせと不審な男が事務所に来たのだった。
前作の『ほん呪』38「狂死のビデオテープ 暗躍」では、浅野の娘恭子が登場。浅野の死後、ビデオを寄越せと執拗に小田という人物(事務所来た男と同一人物)から迫られていたと語ったのだった。その後、浅野の教え子だった女性から、浅野が日本史の授業中に語った物語が明らかになる。関東地方の村に隠れ住んでいた徴兵逃れの兵士が憲兵に捕らえられ、拷問の末に死亡するが、拷問した軍人やその家族も死んでしまうという話だった。この生徒のノートには、「久杉少尉」という名前が残っていたという。浅野は、『リング』のように、観たら狂い死ぬというビデオテープを持っているという持ちネタがあったともいう。その後、事態は急展開し、事務所のドアに「テープ全ブと交カン ○○公園」というメッセージが書かれ、浅野恭子から「あなたたちが……テープ渡してくれないからですよ」という留守電のメッセージが残されていたのだった。
と、前回までの話を見返さないと話が全くわからないくらい、登場する人が全て変な人なシリーズの続編である。

小田が指定した公園へ向かうスタッフ児玉と伊月。
雨が降る中、公園が暗くなるまで待ったが、小田の姿はない。
仕方なく、一旦車に戻ろうとしたところ、暗闇から上着の前をはだけた軍服姿の男が、奇声を発しながら日本刀のようなものを振りあげて襲ってくる。とっさに避けたスタッフ伊月がビデオテープの入った袋を落としてしまうと、男は何も言わずにその袋を奪って逃げていった。
どうやら顔を赤く染めた小田のようだった。
小田のアパートを交代で見張るスタッフ。
しかし小田が現れることはなかった。

小田が襲ってくるシーンを見返してみると、小田の背後に白い影のようなものが浮かんでいたのがわかった。
小田に襲われてから2日後、浅野氏の引っ越し先の住所がわかったと予備校教師山本から連絡が入るのだが……。
(つづく)

「残された動画」
携帯に撮影した覚えのない動画があるという。
そこには結婚式の映像が撮影されていて、最後に映った鏡に不気味な顔が浮かんでいるという。
確かに、神前の結婚式の様子が残されているが、最後に神棚にある丸い鏡に黒い影が映っていた。それは長い黒髪の女性の後ろ姿で、振り返った女性が恨めしそうにカメラを見つめている……。

シリーズ監視カメラ
「留守番モニター」
一人暮らしの父親の姿を録画し、ネット経由で観られるサービス「留守番モニター」。
母の命日に録画された映像で、机の下から見上げる顔のようなものが映っていた。

「狂死のビデオテープ 続・蛮行」
浅野氏の妻玲子さんに電話したものの、浅野氏には息子はいるが娘はいないという事実を知らされる。
玲子さんによれば、久杉という女性がビデオを全部渡せと言われていたという。
久杉は、浅野氏が持っていたビデオの中に人を呪い殺せるビデオがあるはずだと話していたという。
さらに、浅野恭子の映像を玲子さんに確認してもらったところ、やはりそれは久杉だった。

小田のアパートで、他の部屋の住人に確認しに行くと、小田の部屋は大家の久杉の部屋だと証言する。
さらに、小田は久杉の弟だということが判明する。

スタッフはこれまでの首謀者は久杉(姉)で、久杉(弟)を使って心霊博士のビデオテープを奪おうとしたのではないかと推理する。
また、『ほん呪』38で、浅野氏が予備校講師時代に話していた徴兵逃れをして憲兵に殺された軍人も久杉少尉だったことが改めて確認される。
このことから、久杉姉弟は、この軍人の孫ではないかという推論に辿り着く。

後日、浅野玲子さんからビデオテープが送られてくる。
浅野氏の死後、テレビの裏から出てきたテープだという。
そして仰々しい警告の後、その映像が流れる……。

……この映像は流石に迫力がありすぎて……詳細はご自身の目でご確認いただきたい。

その後、スタッフルームのドアに赤い文字で「いずれみんな呪い殺す」と書かれる事案が発生。

また、先ほどの映像をスタッフの中で唯一確認したという編集スタッフの大杉東と、連絡が取れなくなっているという。

このシリーズはまだまだ続くかもしれない……。

『真夏の方程式』 電子書籍で読みたいんだけどなぁ

評価:4.0

東野圭吾の『ガリレオ』シリーズの映画作品。

もう10年も前の作品なので、登場する役者がなかなか若いのだが、福山雅治の印象は今とほとんど変わらないから不思議である。

真夏のある漁村を舞台にした物語。

東野圭吾電子書籍化反対派の筆頭なので、ほとんど読まなくなってしまって久しい。

書籍のほとんどを電子書籍で読むようになったからなのだが、それでもたまに読みたくなる。特にガリレオシリーズは読みたいのだが、電子書籍化されていないんだよなぁという無限ループに陥ってしまう。

と言いつつ、最近は電子書籍を買っただけで満足してしまって、ほとんどが積ん読になってしまっているので、どの道読まないということにもなりそうなのだが。

いや、映画やドラマも観たいものは多いのに、消化する時間が圧倒的に足りなくなってきている。どう考えても全ては消化できないよなぁと思えてしまうほど積んでる。ゲームも同様。

そして、時間があると夜は飲み、昼は眠くなってついつい惰眠を貪ってしまうのである。

それがいわゆる晩年の方程式とでも言えるかもしれない。

『夜は短し歩けよ乙女』 ああ麗しの電気ブラン

評価:4.0

森見登美彦原作。

お酒を飲むことをこれほど肯定的に描く作品も最近珍しくなったと思いながら、冒頭から同じようなペースで芋焼酎ハイボールを飲みながら楽しんだ。

原作ももちろんお酒が進む作品ではあったのだが、映像のコミカルさがそれに輪を掛けて酒を礼賛しているように感じる。

基本的には原作踏襲で物語は進むが、かなり突拍子のないエピソードの連続なので、これをどう映像化するのかという想像を超える演出になっていた。

映画を観ていたら電気ブランを飲みに神谷バーに行きたくなった。誰か一緒に行きましょう。

『ほんとにあった! 呪いのビデオ』38 

評価:3.5

シリーズ監視カメラ「雑居ビルの廊下」
廊下に誰もいないのに、窓ガラスに俯きながら歩くスーツ姿の男性が映っている。
そのビルではかつて、首を吊った社長がいたという。

「夜景」
夜景が見える公園で話しているカップル。
遠くに背の高い女の姿が見える。その後、女性が足元を気にして下を向いた瞬間、ベンチの下にこちらを虚な目つきで覗き込む女性の顔が見える。
これはなかなかインパクトの大きい映像。

「大学ゼミ」
大学のゼミで研究発表を行う女性。画像が乱れて、この女性の首が分離したように見える。
発表する女性は、その後自宅で首を吊っているのが発見されたという。

「狂死のビデオテープ 暗躍」
このところ続いている取材班が巻き込まれていると称するシリーズ。
心霊博士の正体が元予備校講師らしいことが前回明らかになっていた。
心霊博士の娘浅野恭子(仮名)と会うスタッフ伊月肇(演出補)。
父が予備校講師を辞めさせられて神経的に参ってしまって自殺してしまったという。
浅野氏が自殺したのは、呪いのビデオ事務所に鳥の死体が送られた日の前日だったという。
浅野氏が自殺した三日後、撮り溜めたビデオを全部よこせと言ってきた小田という人物がいたという。
長田明子(演出補)とともに伊月とスタッフが相談する。
スタッフ会議の結果、テープの譲渡は断り、小田に取材をすることになる。
どうやら小田はスタッフルームにビデオをすべて渡すように迫った男らしい。
公園に呼び出して取材するスタッフ長田。
「頭が回らない」「足らない」と繰り返し、意思の疎通ができない。
スタッフ伊月が「ダメじゃないか」と呟くと、激昂して唾を吐きかけ、立ち去る小田。
小田がスタッフルームに来た時の映像を見返すと、小田の影に覆い被さるように大きな影が映り込んでいた。
(つづく)

焼身自殺」
公園でバーベキューをする友人たち。
ベンチの下から黒い手が伸びてくる。以前この公園では、ホームレスが焼身自殺をしたというのだが。

吹奏楽
中学校の吹奏楽部の演奏ビデオ。
司会の女性の背後から顔のようなものが覗く。

「黒死女」
長野の温泉に泊まっていたカップル。彼氏の寝起きを撮ろうとしたところ、女性の顔が映ったという。
確かに、真っ黒な顔をした薄気味悪い女性がこちらを睨んでいるように見える。
温泉旅館を経営していた女性が自殺したというのだが。

「狂死のビデオテープ 続・暗躍」
浅野氏と同僚だった山本講師の協力で、予備校に通っていた女性に取材をする。
浅野氏が日本史の授業中にとある雑談をしたという。
太平洋戦争中、関東地方の村に徴兵逃れをした村人が隠れ住んでいた。憲兵に捕えられ、軍人による拷問の末、死亡してしまう。
しかし、拷問した軍人や家族も死んでしまったという話だった。
これを聞いた生徒の一人が怒り出して喧嘩になったらしい。
この話を残していた元生徒のノートには、久杉少尉という名前が書かれていた。
浅野氏は、『リング』のように、観たら狂い死ぬビデオテープを持っていると言う持ちネタがあったという。

スタッフルームのドアに「テープ全ブと交カン ⚪︎⚪︎公園」と書かれていた。
また、留守電に浅野恭子から「あなたたちが……テープ渡してくれないからですよ」とメッセージが残っていた。
スタッフは、浅野恭子さんが小田に誘拐されて、彼女とテープを交換しようとしていると仮説を立てる。
不安を訴える長田を残し、スタッフ児玉と伊月が公園に向かう。

浅野恭子さんへのインタビュー中に、ベンチの後ろに影のようなものが映っていた。

そしてこの話はまた次巻へと続くのであった。

『マリグナント 凶暴な夢』 新たなる恐怖の形

評価:4.0

死霊館』シリーズでお馴染みのジェームズ・ワン監督が提供する新たなる恐怖の形。

20世紀にとある施設で凶暴な子どもに処置を行ったような謎めいた映像から始まるが、関連性がわからないまま舞台は現代に移る。

何度か流産を経験したマディソンが待望の子どもを妊娠しているが、DV夫によって後頭部を壁に叩き付けられてしまう。

意識が朦朧とする中、マディソンは夫が何者かによって襲われる夢を観るのだが……。

死霊館』シリーズとはまた少し違った雰囲気のホラーサスペンスだが、今回のモンスターはかなり斬新な設定に思えた。

夢が現実と交錯するサスペンスはやはり面白い展開になりやすいし、それでいて余りにも現実離れすると荒唐無稽になる傾向にもある。

その絶妙のバランスが実現された作品だった。

この感じだと、次回作もあるんだろうなぁ。