マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


ハリガネサービス 第12巻

評価:4.0

雲類鷲の行為に静かな怒りを覚えた下平は、6連続サービスエースを決めるものの、監督からバレーを楽しんでいるか問われて愕然とする。
そして「ハリガネ」が使えなくなってしまう。
落ち込む下平に代わり、右手を怪我して使えなくなった野々原がコートに入り、斬新なプレーで雰囲気を一気に変える。
チームメイトから必要とされることで下平も気を取り直し、新たな段階へと成長を果たす。
超人的なプレーばかりが目立っていたこの作品だが、徐々に人間の成長という背景を物語に取り込み、深みが増していっているように思える。
面白くなってきた。

サピエンス全史 上

評価:4.5

文体の歯切れがいいので、やや強引に感じる部分もあるが、最近の発掘情報などのエピソードも交えて語られているので説得力がある。
ホモ・サピエンスの歴史を「認知革命」「農業革命」「科学革命」の三つの重要な革命が与える影響を軸に語る社会歴史学
認知革命は言語・共通概念の獲得であり、その最大の成果は社会的「虚構」を作り出すことだった。虚構とはすなわち、宗教であり、国家であり、貨幣経済であり、この認知革命こそがサピエンスを人類(ホモ属)の支配者にせしめたのだという。
続く「農業革命」では、サピエンスは農耕により爆発的な人口増加を得た代わりに、より効率的を求めるために穀物に隷属(小麦による人類の家畜化)するようになったと語る。効率的に作物を得るために工夫を凝らし、それがさらなる人口増加を生み、さらなる食糧不足を引き起こす。贅沢を得るために我々は効率化という踏み車をより速く踏み続けるはめになる、「贅沢の罠」にハマっているのだという。
上巻最終章「人類の統一」では、貨幣の登場により「帝国」が複数の民族を統治するようになり、それがいまやグローバルに広がりつつあると説く。
著者によれば、国家主義は次第に影を潜め、グローバリズムによって全人類が「わたしたち」になるのだという。
ここ数年はむしろ逆行的に、国粋主義が台頭をし始めているようにも見えるが、それは恐らく「揺り返し」のようなものだということだろう。
個別の小さな集落だった人類が、グローバル化した帝国に飲み込まれていくメカニズムは、幻想的な印象はあるものの、説得力がある。

ハリガネサービス 第11巻

評価:4.0

金田の控えに甘んじていた猫田先輩が活躍するも、執拗に猫田を狙う雲類鷲の前にボロボロになり、第1セットを取られてしまう。
第2セットも劣勢スタート。猫田の交代、野々原の負傷退場に対して反発する下平の暗黒面が表出する。

将棋「観る将になれるかな」会議

評価:4.0

将棋[観る将になれるかな]会議 (SPA!BOOKS新書)

将棋[観る将になれるかな]会議 (SPA!BOOKS新書)

高野秀行六段監修による、将棋界を楽しむための雑学集という感じでしょうか。
将棋界に興味はあるものの、どう入っていいかわからないという人向けなんですが、登場人物たちは実はかなり将棋がわかってるようです。
少なくとも、棋譜(もしくは局面図)を見て「前に見たことがある」と思えるくらいの将棋通です。
なので、読者対象としてはやはり将棋初心者ももちろんなんですが、将棋界のことをむしろよく知っている人たちにもオススメです。
合間に入るマンガも棋士の特徴をよく捉えています。個人的に窪田義行八段のネタが大好きです。

ハリガネサービス 第10巻

評価:3.0

竜泉学園を下した豊瀬の次の相手は、1年生エース雲類鷲(うるわし)の率いる王葉工業高校。
雲類鷲の圧倒的なパワーで相手を蹴散らしてきた王葉工業に対して、豊瀬はどう戦うか。

ハリガネサービス 第9巻

評価:4.0

竜泉学園の雨竜監督がレッドカードで退場。
監督退場で勢いを削がれた竜泉は第2セットを落とす。
雨竜監督は朧の母親を連れてくる。
朧の幼少期のエピソードをはさんで、朧覚醒。
物理演算の鬼と化す。
この作品が始まって以来、ストーリーを読まさせる展開にちょっと見直す。
相変わらず絵は嫌いだけど、もうちょっと読んでみる気になる巻。

ハリガネサービス 第8巻

評価:3.5

下平のサーブ炸裂。七連続サービスエースを決めたところで朧が阻止。
そして朧の背景が徐々に明らかになってくる。
朧の物理演算、下平の視野の広さを生かした予測能力の片鱗が見え始める。