マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


小説

『宮本武蔵』 06 空の巻

評価:4.5 (Amazon) 一乗下り松での吉岡一門との闘いの後、武蔵は江戸表に向かう。又八、小次郎、お杉婆などもそれぞれ江戸に向かい、舞台は江戸へと移るのである。 武蔵は法典ヶ原で開墾し、そこで知り合った伊織とともに再び江戸に向かった。 夢想流仗術の…

グイン・サーガ 第20巻 『サリアの娘』

評価:4.5 (Amazon) ついに表紙が加藤直之さんから天野喜孝さんに。感涙。天野グイン、やっぱりいいなぁ。 舞台はノスフェラスから陰謀渦巻くサイロンに。 そしてメインはグインの意外な策士っぷりと、マリウスとイリスの恋バナへ。 いやぁ、やっぱりこの巻…

『グイン・サーガ』第4巻 ラゴンの虜囚

評価: (Amazon) モンゴール軍を奇襲作戦で翻弄するセム族連合軍だったが、数で劣る彼らの不利は明らかだった。そこでグインは、狗頭山の向こうに住むというノスフェラスのもうひとつの類人族・ラゴンの援軍を得るために単騎行動を取る。砂漠嵐に巻き込まれ…

『万能鑑定士Qの事件簿II』 松岡圭祐

評価: (Amazon) 1作目の後編という位置づけ。これ以降は、各巻完結。 週刊角川の記者・小笠原悠斗と『万能鑑定士Q』の凜田莉子が、ハイパーインフレに見舞われた日本で偽造紙幣事件を追う。 舞台は沖縄と東京に分かれ、数々のミスリードの末に莉子は事件の…

『万能鑑定士Qの事件簿I』 松岡圭祐

評価: (Amazon) 松岡圭祐著。 2010年4月から、隔月で全12巻が刊行された『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズの1作目。 町中に貼られた「力士シール」を取材するため週刊角川の記者・小笠原悠斗が『万能鑑定士Q』という看板を掲げた店を訪れる。そこに現れた…

『虐殺器官』 伊藤計劃

評価: (Amazon) 伊藤計劃のデビュー作。 米情報軍の特殊部隊のひとつ、特集検索群i分遣隊に所属するクラヴィス・シェパードの独白という形式で構成されたSF。 サラエボで核爆発が起きた後、先進国はテロ対策として高度な管理社会を構築し、物流だけでなく人…

『グイン・サーガ』第3巻 ノスフェラスの戦い

評価: (Amazon) モンゴールのアムネリスに追われるグインたちは、セム族を結集させて起死回生を図る。 一方、モンゴールのノスフェラス進攻の真の意図は、パロの古代機械の秘密を握る聖双児の捕獲だけに留まらなかった。それは、キタイの魔術師カル・モルが…

『一九八四年』ジョージ・オーウェル

評価: (Amazon) ジョージ・オーウェルの代表作。『動物農場』でスターリンの社会主義独裁体制を風刺したオーウェルが、1948年に近未来の超統治国家を描いた作品。 主人公のウィンストン・スミスは、オセアニアの真理省(ミニトゥルー)で働く39歳の記録官。…

『グイン・サーガ』第2巻 荒野の戦士

評価: (Amazon) モンゴール軍に追われる形でノスフェラスに進んだ記憶を失った豹頭のグイン、災いを呼ぶ紅の傭兵イシュトヴァーン、パロの真珠リンダとレムス、そしてセムの娘スニ。これを察知したモンゴール公女アムネリスは、魔道士ガユスを伴い大軍を編…

『ハンガー・ゲーム』下

評価: (Amazon) 第12地区代表のカットニスとピータは、ハンガー・ゲーム開始してほどなく、再会する。しかし、ピータはなぜかプロたちの集団と行動を共にしていた。準備期間中に示していたピータの優しさはマヤカシだったのか。カットニスは半信半疑に陥り…

『ハンガー・ゲーム』上

評価: (Amazon) 近未来の北アメリカに築かれた国家パネムは、高度に発達したキャピトルとそれを囲む辺境の第1から第12までの地区で構成されていた。 キャピトルは辺境地区を政治的に統制し、それぞれの地区から12歳から18歳までの少年と少女を「贄」として…

『グイン・サーガ 第1巻 豹頭の仮面』

評価: (Amazon) 栗本薫が約30年、130巻+外伝22巻に渡って書き連ねた『グイン・サーガ』の第1巻。初版は1979年。日本のカオス的なサブカルチャーが芽吹いた80年代のまさに前夜である。 初めて読んだのは高校生の頃だった。長編ファンタジーに初めて触れたの…

『慟哭』

評価: (Amazon) 心にぽっかり穴が開いた「彼」=松本のパートと、警視庁捜査一課長のエリートキャリア・佐伯のパートが折り重なるように組み立てられた推理小説。心の隙間を埋めるために新興宗教にハマっていく彼のストーリーと、連続幼女誘拐事件を追う冷…

『博士の愛した数式』

評価: (Amazon) 1975年で記憶がストップしてしまった数学者「博士」と、そこへ派遣されてきた家政婦とその息子「ルート」の話。 博士の記憶は80分しか持たない。全身に記憶の破片である「メモ」を挟み付けた博士の不思議な行動と、随所にちりばめられた数学…

『深夜特急』第1巻 香港・マカオ

評価: (Amazon) 沢木耕太郎のベストセラー。バックパッカーのバイブルとも呼ばれていたのは知っていたが、読むとハマると思ってずっと敬遠していた。 Kindleで第1巻がセールの220円だったので購入。読み始めて、この危険さに呆然とした。 学生時代に海外に…

『1Q84』BOOK2

評価: (Amazon) 編集者小松に誘われるまま、ディスレクシアで美人な17歳のふかえりと『空気さなぎ』を書きあげた川奈天吾。 『空気さなぎ』は小松が予想した通り、話題になり爆発的に売れた。 しかし、その物語は新興宗教団体「さきがけ」の内部に確実にダ…

第9話 事情聴取

ええと。約3年ぶりでしょうか(汗)。『ハルとラクダ』 index 困った状況だと思う。 ここは事務所だ。小金井の片隅にある小さなレンタルビデオショップ『マリオ』。そのカウンターの奥にある狭い部屋だ。カウンターとの間には暖簾があるだけのスペースだ。 …

グイン・サーガ100『豹頭王の試練』 ついに100巻到達

(Amazon) 26年の歳月を経て、ようやく辿り着いた100巻です。しかし完結するそぶりは当然全くなく、まだまだ延々と続く展開です。というわけで、今回もネタバレを含むので未読の方はご注意ください。 前巻から全く何の進展もないと言ってしまって差し支えなさ…

グイン・サーガ99『ルードの恩讐』 ゴーラの妄想王と記憶喪失のカウンセラー

(Amazon) 面倒臭いのでネタバレしまくりで書いてしまいます。未読の方はご注意ください。 ノスフェラスからルードの森に辿り付いた記憶喪失のグインは、モンゴール反乱軍の首領ハラスら一行がゴーラ軍に惨殺されるのを見逃すことができず、ついにゴーラの妄…

グイン・サーガ98『蜃気楼の旅人』 ノスフェラスからの帰り道

(Amazon) 舞台はノスフェラス。セムとラゴンに囲まれてすっかりボケて隠居生活を送っていたはずのグインが突然動き出す、というのがこの巻のお話です。例によって黄昏の国のザザとノスフェラスの狼王ウーラがやってきたおかげで、いろんな知識を注入されなが…

グイン・サーガ97『ノスフェラスへの道』 思い出されたマリウス

(Amazon) 今回の舞台はサイロンです。『ノスフェラスへの道』といいつつ、なかなか出発しないというのは大方の予想通りだったりします(汗)。今回は久々にマリウスの歌うシーンがあるんですが、やはり小説という表現手法でライブ感を描写するのは難しいんで…

グイン・サーガ96『豹頭王の行方』 オラァ、見ただ

(Amazon) 前巻でヴァレリウスとリンダを悩ませていたマリウスの件が完全に忘れ去られる展開になるこの巻です。だったら前巻の半分くらいは無駄話だったんじゃないか、という気もしないでもないです(汗)。ともあれ、グラチウスの登場でようやくその後の展開…

グイン・サーガ95『ドールの子』 グイン失踪後の中原

(Amazon) グインが失踪(というのか?)した後の中原はどうなったかというと……。という感じのこの巻。久々に中世に戻ってきたような気がします。ヤンダルもアモンもグインもナリスもいない中原というのは、こんなにも中世チックなんですなぁ。アムネリスの自…

グイン・サーガ94『永遠への飛翔』 エンゲージド!

(Amazon) いつの間にか100巻達成していたグイン・サーガなんですが、ようやく94巻を読みました。まとめてAmazonで購入してたんですが、ここのところずっとマンガばかり読んでいたんですね。で、例によって前巻までのあらすじを忘れてしまってたわけですが、…

 第8話 「キャメルクラッチ」

また半年ぶりですか(汗)。終るんかいな、これ。『ハルとラクダ』 index ハルとアイビーエムとぼくの三人は店のカウンターに戻って、トイレに駆け込んだ女の子を待つことにした。アダルトコーナーに散乱したビデオはそのまま放置することにした。片付けると…

グイン・サーガ93『熱砂の放浪者』 砂漠でついウトウトと

熱砂の放浪者―グイン・サーガ(93) (Amazon) いやぁ、読み始めたのは結構前なんですが。途中で他の本読み始めちゃったり、『逆転裁判』とかやってたので全然読み進めませんでした。なんというか、ここんとこ今ひとつグインの世界にどっぷりハマれない感じです…

『姑獲鳥(うぶめ)の夏』 京極夏彦 心と脳の微妙な関係

文庫版 姑獲鳥の夏 (Amazon) 涼色(id:suzuiro)さん推薦図書です。というか、夏の宿題として読まされました。結局8月中には読み終われませんでしたが(汗)。古本屋の主人にして桔梗清明神社神主(陰陽師)の京極堂と、見えざるものが見える個性的探偵榎木…

 第7話 「暖簾の向こう」

お待たせしました。半年ぶりですいません。『ハルとラクダ』第7話です。『ハルとラクダ』 index 声がしたのはアダルトビデオコーナーだ。店の一番奥にある。レンタルビデオ店には必ずあるコーナーだ。 レンタルビデオ店にとって、商品の価値は「回転率」と「…

『白い巨塔 第1巻』 山崎豊子 時代は変わっても本質は変わらない

白い巨塔〈第1巻〉 (Amazon) やっと読み終わった感があります。すみません、読むの遅いんです。言わずとしれたテレビドラマ『白い巨塔』の原作です。この本が刊行された昭和40年といえば、東京オリンピック(昭和39年)の直後、大阪万博(昭和45年)よりもさ…

グインサーガ92『復活の朝』 前半が勝負

復活の朝―グイン・サーガ〈92〉 (Amazon) 前巻でクリスタルに突入したグイン。古代機械を前にし、アモンを道連れに転送されるグイン。そしてクリスタルはアモンの呪縛から解き放たれ、復活の朝を迎える。という感じです。もう随分前に出た作品なのでおもいっ…