前作の『呪怨(劇場版)』を観たときは予備知識も何もなかったんですが。その後『呪怨(ビデオ版)』、『呪怨2(ビデオ版)』を観ました。
結論から言えば、『呪怨』は『リング』のような「謎解き」とは無縁のオバケ映画、という感じです。それは『呪怨2(劇場版)』でも同じでした。
相変わらず時間軸が行ったり来たりします。ビデオ版とは明らかに金のかけ方が違うので、目立った齟齬もないですし、そういう伏線の仕掛けは割と安心して楽しめました。怖い、というよりもびっくりさせようとしているシーンばかりです。慣れちゃえばどうってことない。
ただ、やっぱり酒井法子のホラー映画というのはちょっとキツイ感じがします。結婚以降、痩せてとがった感じになったんですが、その顔でひきつった表情されると、さらに痛々しい感じが増します。
よくこの仕事を引き受けたなぁと思えます。昔の「ノリピー」とは別人のようでした。結構凄惨なシーンもあるんですけどね。淡々とこなしている、という印象でした。
裏テーマ(ってわざわざ言うのが気に食わないけど)は「母性愛」ということなんですが、まぁそれはそれで表現できてるかな、とは思えます。が、「伽椰子の呪怨の裏に何があるのか」という好奇心をくすぐりながら、結局わけわからんままというのは、『呪怨』シリーズ全編に言えることなんですが、消化不良な点なんですよね。ついついそういう「解決」を求めるのがいけないのかもしれませんが。
でもそういう「王道」的な部分もやはり重要だと思うんですけどね〜。『呪怨』シリーズが、怖がらせ映画としてヒットはしながらも「大成功」には至らないのは、そういう部分が根本的に欠落してるからなんだと思うんですけどね。
メイキングで清水監督という人を初めて観たんですが、なんというか「秋葉原」に常駐してそうな人ですね(汗)。学生の頃、友達にこういう奴がたくさんいたなぁと思い出しました。ああ、この監督なら仕方ないか、と思ってしまいました。
ハリウッド版でリメイクされるそうなんですが、別に……観なくてもいいかなぁと。