マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


 『白い巨塔(田宮二郎版)1』 渋すぎる!

白い巨塔 DVD1
『白い巨塔(唐沢寿明版)』にハマってしまったため、観ることになった田宮二郎版です。

第1回〜第4回まで収録されています。

今まで田宮二郎という人がどういう人かも知らなかったんですが。めちゃくちゃかっちょいいです。

長身でいつも眉間に皺を寄せていて、唐沢寿明よりも10歳くらい年長な雰囲気です。

全体的に原作に非常に忠実で、唐沢版では登場しなかった里美の兄も登場してます。人間関係も原作のまま。

見比べると、非常に面白いです。唐沢版は、完全に別物として作り上げられているんだということがよくわかりました。

1978年ということで、私が小学校に上がる前くらいなんですね。

舞台が大阪ということで、梅田の中央郵便局やら阪急やら、懐かしい風景がいっぱい詰まってます。街に溢れる人たちのファッションや、里美家の団地など、あの時代を思い出します。ああ、こういうところで育ったんだなぁと。

唐沢版では、舞台が大阪というイメージはあまりなかったですね。大阪弁喋る人も少なかったし。

田宮版では、患者も舞台も、どこから見ても大阪という感じになっています。財前五郎大阪弁を使っています。しかも使い方が絶妙で、相手が大阪出身者(大阪弁)だと大阪弁、相手が東教授(東部大出身者なので東京弁)だと標準語、と使い分けています。

実際、大阪にいる他地方出身者って、こんな感じなんですね。大阪人には大阪弁もどきを使い、それ以外の場合は自分の地方の言葉は使わずに標準語を使う、という感じ。

そういう大阪的文化が実にリアルに表現されています。

リアルという意味では、唐沢版よりも圧倒的に田宮版の方がリアルです。手術シーンなんて、本物の手術シーンを挿入してますからね(いきなりメスでお腹切るのでびっくりしました)。