さてさて。
大連旅行中に携行したのが、椎名龍一氏著の羽生善治三冠の半生記『羽生善治 夢と、自信と。』と、標題の大崎善生氏著『編集者T君の謎』というエッセイ集でした。
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羽生三冠の半生記については、少し前から読み始めてました。羽生さんは私よりも2歳年上ということもあって、少年時代の将棋界については私自身の記憶にも残ってて懐かしかったです。
こちらはまだ半分くらい(プロ入りして、島朗竜王を倒して竜王位を奪取した辺り)までしか読んでませんが、羽生世代が少年時代から切磋琢磨しながら成長してきたことがよくわかります。
一方のエッセイ集は、羽生善治三冠のライバルとして有名だった故村山聖の伝記『聖(さとし)の青春』を書いた大崎善生氏のエッセイ集です。
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大崎さんは、元『将棋世界』の編集長。この本は、週刊現代に書いていたエッセイをまとめたものだそうです。このエッセイの中でもたびたび登場する高橋和(やまと)女流三段と2003年に結婚してます。ええと。エッセイ中では一言も触れられてません。どうなっとるんや(笑)。
将棋棋士のエピソードを紹介したり、将棋界の制度の矛盾を突いたりしながら、実は着々と自分の作家としての活動宣伝もちゃっかりしてるあたり、老獪な印象もあります(笑)。
まぁしかし。エッセイ集としては非常によくまとまった作品でした。大崎さん自身、村上春樹もよく読まれているようで、私の嗜好と相性が良さそうです。
全体を通して、将棋界とその周辺にいる人々に対する愛情を感じました。
大山康晴永世名人をはじめ、加藤一二三九段、羽生善治三冠、谷川浩司九段、先崎学八段、村山聖九段、そして親友の森信雄七段など、登場する人物がみんな魅力的に見えてしまうから困ります(笑)。
おかげで一気に読み終わってしまって、物足りなさ満点です。内容が物足りないわけではなく、もっと読みたくてたまらないという感じです。
※先崎学八段のエッセイも読みたくなりましたが。
読み始める前はよくわからなかった将棋界の一部(偏った方面だけど)がよくわかった気になりました。
囲碁界もこういう裏話満載のエッセイ集のようなものはないんでしょうか。あれば是非読みたいですね。教えてください。>識者の方々