マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『満願』 米澤穂信

評価:4.0

満願 [Kindle版]@Amazon (Amazon)
「このミステリーがすごい」2015年版(対象は2014年)の国内ベスト作品。
警察官には向いていなかった新人警官の殉職を描いた「夜警」。
自殺者がやってくるという宿で発見された遺書を巡る「死人宿」。
鬼子母神伝説をテーマに描く「石榴」。
バングラディシュの油田が舞台となる「万灯」。
伊豆の峠の都市伝説を追う「関守」。
そして表題となった「満願」。
いずれも読み応えのある短編集。
米澤穂信氏の小説は『古典部シリーズ』しか読んだことがなかったが、随分テイストの違う文体だった。印象に残ったのは「夜景」と「関守」。意外性を競うというよりは後味の余韻を味わえる短編が多かった。