マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『その女アレックス』 ピエール・ルメートル

評価:4.0

その女アレックス (文春文庫) [Kindle版]@Amazon (Amazon)
2015年度「このミステリーがすごい」海外作品のトップということで、さすがに切れ味が鋭く読み応えのある作品。グロさも満点だし、描かれる事件の状況が状況なので、イスラム国の人質事件が明らかになってからは読むのを一時中断していた。それくらい、ちょっと精神的にも重い作品である。
人通りの少ない路地で、30歳の美女アレックスが何者かによって拉致される。誰が彼女を拉致したのか。そして誘拐されたというのに誰からも捜索願の出ない彼女は何者なのか。
パリ警視庁犯罪捜査班のカミーユ・ヴェルーヴェンは、4年前に妻が誘拐され、胎児ともども殺されたため、しばらく心神喪失状態で前線から退いていた。しかし人手不足という口実で捜査部長のル・グエンカミーユにこの事件を担当させる。
巨漢の部長ル・グエン。中学生くらいの背しかなく、「名探偵コナン」を思い出させるカミーユ。そのまんま「こち亀」の中川くんタイプのルイ。そして極度の倹約家のアルマン。4年ぶりにヴェルーヴェン班が復活し、この難事件に挑む。
その女、アレックスとは……。