さて。前回、非破壊自炊の話で、結局フラットベッドスキャナでやった方が時間はかかるが綺麗、という結論付けをしていたのだが。
改めて、Opticbook4800に新しいドライバーとソフトウェアを導入して使ってみた。
また、以前Opticbook4800で自炊した司馬遼太郎の『新撰組血風録』(文庫版)をFire HD 10で読んで品質チェック。
品質としては十分。中ほどのページになるにつれて、ノド近くの文字がゆがむ(細く見える)ものの、それはフラットベッドでも同じ。
ガラス面からスキャン面までの距離が空くと、どうしても影になってしまう。文庫本の場合は、その影が文字部分に若干かかることがあるので、気になる人は気になるかもしれない。
実際に読んでみると、小説の中身に集中してしまって、そんなことは全く気にならない。むしろ、紙の本と違って周囲が暗くても読めるという利点もあるし、読んでいる状態でノートを取ったりするのが非常に楽だという点も好感触(これは電子書籍全般のメリットだが)。
というわけで、読むことを目的とするのであれば十分な品質であることが確認できた。
続いてソフトウェア検証。
今回は、Plustek eBookScanを使ってみた。
https://plustek.com/plustekdoc/plustekebookscansop-eng-20170915.pdf
↑このサイトのユーザーガイドは英語版だが、ソフトは日本語対応している。
設定項目が少ないので自由度は少ないが、必要最低限の機能は揃っている。
個人的に、設定したのは以下の項目。
- 解像度 300dpiに設定
- Scan mode 表紙はカラー、テキストページはグレースケール
- 方向 次ページ反転(それぞれ確認できます)
- 品質 良(Better)
- フォーマット JPG
- 表示方向 右から左(R)
また、スキャンごとにスキャナーの蓋を閉じるとタイムロスするので、基本的に手で本を押さえて物理スキャンボタンを押す(もしくはマウスでスキャンボタンクリック)。
このほか、保存先でファイル名を指定すると、複数枚取り込み時に「ファイル名_nn」という名前で自動的にナンバリングされる。
……されるのだが、実は作業を途中で終わって、再度取り込むと、既に存在するファイル名はスキップしちゃう(汗)。これに気づかず、本を一冊読み込んで、ところどころ歯抜け状態になってて焦った。
その辺りは工夫すればなんとかなるし、以前使っていた同梱のソフトウェアBook Pavilionに比べると直感的で使いやすい。最新の更新は2018年12月らしいので、使っているうちにアップデートされるかもしれないと期待したい。(注:製品ページからダウンロードできるのは2017年のV3.0.0.24だが、ソフトウェアページからは2018年のV3.0.0.27が入手できる)
とりあえずこのソフトを使って一冊(文庫本 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』下)をスキャンしてみたところ、一冊スキャンするのに約2時間程度かかった。
いろいろ試行錯誤しながらだし、途中でファイル上書き諦め問題(既存ファイルは保存しない)が発覚したので、実際よりドタバタした印象だが、そこそこ満足できるスピードであることがわかった。
ソフトがフリーズすることはなかったが、ソフトの安定度はイマイチな気がする。途中でほかの作業などをすると、スキャナーが認識できなくなったり、物理ボタンでの取り込みができなくなったりした。
まぁしかし。スキャナーやPCを再起動すれば大抵のことはうまくいくようなので、しばらくはOpticbook4800を現役復帰させて書籍の取り込みを実行していこうと思う。
幸い、取り込みたい書籍は文字どおり山のように積まれているので、サンプル数としては十分だろう。
フラットベッドスキャナだと1分1ページ程度だったのが、Opticbook4800では1時間で約200ページ。約3倍である。SV600だと恐らく1時間でほぼ一冊くらいのペースだろうか。
品質について、どこで満足できるかというところと、時間をどれだけかけられるかによって選択するというのがいいのかもしれない。