評価:3.0
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2016/10/12
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
当時はものすごく怖い映画だという評判だった。原作『IT』を読んでから観なきゃと思って放って置いたら、新作映画が出たので、慌てて原作を読み、さらにこの『IT』を観た。
原作に忠実な部分もあるが、細かい部分は映画的な表現になっていたりする。特にベヴァリーの扱いは、デリケートな部分が大きく変わっていた。ペニーワイズの存在がデリーと一体化しているのかどうか、外宇宙から来たクトゥルフ神話的な存在であるという仄めかしすらなかった。
映像はCG全盛の今に比べれば随分ショボいが、ペニーワイズの不気味さは十分に表現できていたと思う。
しかし、見終わった後になんとなく消化不良というか、「求めていたのはこれじゃない」感が残ってしまう。
はみだしグループの放送コードに触れそうな悪たれ、バワーズの狂気、デリーという土地の呪われた感、地下水路の迷路感など、小説の中で確実に存在していた想像力をかきたてる厚みのある恐怖感が、なんというか表面的な恐怖感にすり替えられたような感覚というのだろうか。