マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


IT

評価:4.0

刊行された当時、図書館で予約したものの、随分待たされた揚げ句、せっかく順番が回って来たのに忙しくて読めずに返してしまった苦い経験がある。
まだハードカバー版の四冊しか出ていなかったので、買うのも高くて気が引けて、結局読まないまま約30年が経ってしまった。
Kindle版で合本が出たので購入したのだが、合本だと読んでも読んでも先が長いので、途中で気が遠くなってしまった。
ほかの小説やらを並行で読みながら、ちょっと長い時間をかけて読み続けた。
主人公はキング氏の分身のようなビル・デンブロウ。ホラー小説のベストセラー作家なのだが、少年期に弟を亡くしてしまったことをつい最近まで忘れていた。
そこには彼の出身地であるデリーにまつわる怪異が関わっていたのだが、それに関する記憶が全てなかったのである。
しかし、少年時代の友人マイク・ハンロンからの電話によって、故郷の闇の向こうに葬られていた記憶が少しずつ甦り、ビルとともに戦ったかつての少年少女がデリーに集まるのであった。
スタンド・バイ・ミー』のホラー版ともいえるこの作品は、キングのホラー小説の集大成となっていて、ほかの作品とも少しずつオーバーラップしているらしい。
個人的には残念ながらこれが初読だったので、これから少しずつ読んでいきたい。
デリーにまつわる怪異「IT」とは何なのか。そしてビルたちはかつて何をし、これから何をするのか。
全ては謎に包まれつつ物語は進んでいく。