評価:4.0
- 作者: R.P.ファインマン,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
上巻で既にファインマン氏の好奇心の旺盛さに魅了されていたが、下巻では彼の物理学的思考の一端が垣間見えるエピソードがある。
「誤差は7パーセント」がそのエピソードなのだが、この中で科学者的「ゾーン」とでもいうべき状態になる。
追い込まれた状況の中で、何かが閃き、その閃きによって支配されたがごとく休むのも惜しいほど科学的思考に没入する状況になる。
物書きでいうところの「神が降りてきた」とでもいうようなこの状態は、実は一般人の我々にも経験があることなのではないだろうか。
もちろん、頭の中で生まれてくるアイディアの差は大きいのだが、それでもなんとなく親近感がわくエピソードだった。
ほかにも、ドラムを叩いたり絵を描いたり教科書について議論したり。ひとりの人生とは思えないくらい、活躍の場が多岐に渡っている。
その原動力は、やはり彼の中で無尽蔵に湧き上がる好奇心なのだろう。
ほかのファインマン伝も読んでみたい。