マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


バタフライ・エフェクト

評価:4.5

先日、船橋のとあるバーで知り合った人と話していて話題に上った映画。2005年に観た映画なのだが、驚いたことに観た記憶はあるし、レビューも書いた記憶があるのだが、どんな映画だか全く思い出せなかった。まさに記憶の欠落。人間の記憶というモノはいかに曖昧なものかということがよくわかる。

shallvino.hatenablog.com

というわけで、久々に観てみたくなった。
NetflixやHulu、Amazonビデオにもないので、TSUTAYAでレンタルするしかない。今のご時世では珍しい作品である。

エヴァン・トレボーンは、7歳の頃から時折記憶が欠落(ブラックアウト)する症状が見られた。
父親は精神病院に入っていて、遺伝的疾患を心配した母親アンドレアは、エヴァンを脳神経科の医師に診せる。
医師は記憶の欠落があるかどうかを確かめるため、エヴァンに日記を書くように言い、習慣化させた。
その後もエヴァンの記憶喪失は続き、それと並行して近所の友人トミーの狂気がエスカレートしていく。

二度目に観たとは思えないほど、映画の細部を覚えていなかった。それもそのはず。主人公はとあるきっかけで過去にタイムスリップする能力を得て、過去のできごとを改変できるようになるのだが、「バタフライ・エフェクト」の言葉通り、ささいな行為が現在に大きな変化をもたらすのである。
これにより、パラレル・ワールドがいくつも存在してしまうため、「どんな物語だったのか」が思い出しにくい構造なのだ。

僕だけがいない街』を読んだときに、どこか引っかかるものがあったのだが、これはその原型とも言えるくらい構造がよく似た作品なのだ。

この映画の中で、「現在」と「少年期」は13年という月日を隔てている。そして自分がこの映画を最初に観たのは奇しくもちょうど13年前。映画の内容がブラックアウトするには十分な時間だということを実感した。ほぼ初見と同じくらい楽しむことができた。