評価:4.0
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 単行本
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肖像画家の「私」は、3月のある日突然、3歳下の妻から一緒に暮らせないと言われ、離婚する。
物語はそこから始まる。
友人の雨田政彦から、父親で日本画家の雨田具彦の住んでいた小田原の家を借り、私は一人で生活を始める。
小田原近くで絵画教室を開いてしばらく経った頃、とある人物と出会うことで徐々に不思議なできごとに巻き込まれていく。
発売日に購入したものの、なんとなくすぐに読むのはもったいなくて置いておいたのだが、ようやく読み始めた。長編は『1Q84』以来。間に短編『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』もあった。
第1部では、謎に包まれた免色という男、それにどこかしら暴力の匂いのする白いスバル・フォレスターの男が登場する。村上春樹の小説では謎のある男(大抵モテそうな雰囲気)や暴力的傾向の男が出てくることが多い。謎は物語を進めていくための推進力として必要だし、暴力的傾向(と突発的な性的行為)は、もはや村上春樹の小説においては出てこない方がおかしいくらいである。
第1部が終わったところではまだ物語は始まったばかりという雰囲気である。