マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


クライマーズ・ハイ

評価:4.0

クライマーズ・ハイ [Blu-ray]

クライマーズ・ハイ [Blu-ray]

  • 発売日: 2009/01/01
  • メディア: Blu-ray

堤真一主演。
1985年8月12日に起きた日航機墜落事故を巡る、北関東新聞社を舞台とした地方新聞記者の数日間を追う物語。
過去に「大久保連赤」(大久保清による女性連続殺人事件)の取材で手柄をあげた世代が部長・次長を務めて牛耳っている編集部の中で、墜落事故現場に登った記者らの記事を思うように掲載できない苦しみを抱えながら、「日航墜落事故全権」という役職に邁進する悠木。
編集と販売、社長と編集局、編集局長室とデスクと記者という、新聞社内の独特の組織構造がリアルっぽく描かれているんですが、一方でこんなに情報共有がなされていない新聞社がよく40年も続いているなと思わざるを得ないです。
日航機墜落事故は記憶に鮮明に残っています。阪神タイガースの21年ぶりの優勝が目前に迫ったお盆前。家族で静岡にある父親の実家に帰省した日にそのニュースがテレビで流れていました。その夏のお盆はほぼずっとそのニュースを見ていました。墜落したらしいという情報は入ったものの、どこに墜落したのかがなかなかわからなかったこともよく覚えています。
半沢直樹』の前に堺雅人滝藤賢一のコンビはこの作品ですでに完成されていたんですね。滝藤さんの精神的に追い詰められる演技は凄みがありました。
個人的には、冒頭からちょくちょく入ってくる悠木と息子のエピソードがやや消化不良です。最初、あの飛行機に息子が乗っていたのかと思い込んで(搭乗者リストに9歳の男の子の名前を見つけて呆然とするシーンがあり、それが息子の名前だったのだと早合点してしまった)、息子が亡くなった可能性もあるのに別れた妻に安否確認することもなく仕事に没頭していく記者だと誤認してました(感情を押し殺しているわりにはあんまりそれが表現できてないな、などと思いながら)。