マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


テセウスの船 第3巻

評価:5.0

心が子どもたちの前で新聞配達員の長谷川翼について口を滑らせてしまったため、鈴は明音と対立してしまう。
心はノートの記録に従って、田中義男の身を案じるが、その裏で別の事件が進行していたのだった。
それにしても、心の行動はかなり不用意。ただでさえ身分の証明ができないのだから、行動には慎重になるべきなのに、不用意に長谷川翼への不信感を子どもたちに伝えたり、事件の原因となる薬物を運び出したり、怪しい人物の周辺に探りを入れたり、重要な証拠であるイラストを教室で落としたり。「志村、後ろ後ろ」な状態なわけだが、本人は至って真剣に不用意を貫いている。
さてここまでの流れで、明らかに怪しいのは長谷川翼。そしてその婚約者である佐々木紀子。青酸カリ事件で意識不明にはなったものの一命はとりとめた加藤みきお。
回収されていない伏線もいくつかある。心が現れなければ複年制だった点。明音に小屋の外から声をかけた人物。帰ってきた鈴の態度。長谷川翼が佐々木紀子に語った「三日後」。木村鍍金工場からなくなったシアン化カリウムの瓶。鈴のアクセサリー。
過去が変わったことにより、複雑化していきそうだが、絵が丁寧でわかりやすいのですんなり話が入ってくる。
これは一気に最後まで読みたくなってきた。