マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『ブレードランナー2049』 時には他人である方がいい

評価:4.0

ブレードランナー 2049 (字幕版)

ブレードランナー 2049 (字幕版)

  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: Prime Video

『ブレードランナー』は1982年公開で、2019年11月のロサンゼルスが舞台だった。
この作品は35年後の2017年公開で、舞台は30年後の2049年6月。
レプリカントを解任(殺害)することを仕事とする「ブレードランナー」だったデッカードが、タイレル社が開発したレプリカント・レイチェルと姿を消してから30年。
ロス警察のブレードランナーであり、ネクサス9型レプリカントであるKD6-3.7は、郊外の農場で逃亡生活を30年続けていたレプリカント、サッパー・モートンを解任することで、隠蔽されていたものを発見する。

レプリカントの自我をテーマとした部分はそのままに、人間とは何か、レプリカントとは何か、愛とは何か、記憶とは何か、親子とは何かなどを深く追求していく作品となっています。
随所に『ブレードランナー』の懐かしい映像も交えながら、映像技術の飛躍的な進化にうっとりしてしまいます。
全体的にやや「タメ」が長く、間延びした感じもありますが、それだけ作品の世界観を丹念に映像化したということなのだと思います。
個人的に、ある建物の玄関のハングル「행운」を見て、「ヘンウンって何だ?」と思ってしまい、ずっと気になってました。ハングルは発音記号なので、読めることは読めるんですが、語彙力がないので意味はよくわからないんですよね(汗)。
後で調べたところ、「행운」は「幸運」という意味で、あの建物がラスベガスのカジノだったということを現しているようです。ハングルがわかる人にはわかるメッセージですね。
日本語も相変わらず随所に登場して、「お酒」とか「ソニー」とかDNA閲覧装置の音声ガイダンス(あの変な抑揚は演出ですな!)など、わかる人にはわかる仕様になっています。
個人的には、ガフの折り紙が健在だったのが嬉しかったです。しかも作ったのは羊。フィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』へのオマージュになっていますね。
いよいよ原作を読まないとなぁと思います。

Sometimes to love someone, you got to be a stranger.

時には誰かを愛するなら他人である方がいい。