イラストの練習は、マンガの模写が一番手っ取り早いのでよく題材にしています。
その一部を公開したりしていますが、マンガを題材にすると、そのマンガ家のタッチやキャラクターの造形、ポージング、構図などが身につきます。
ほんとは生きた人間をデッサンするなどして、自分で構図を考えたり、人物をデフォルメしたいのですが、そのためにも基礎体力となるデッサン力、ペン入れ、色塗り、構図力を短い期間で鍛えるための筋トレのようなものとして取り組んでいます。
ただ、マンガばかりを題材にしていると、どうしても物まねに走ってしまいます。描いた絵が元絵に似てるかどうかだけの評価になったりするので、そうなるのも仕方ないんですが、個人的には「瞳はどうやって描いてるんだろう」とか、「髪の毛の描写はどうしてるか」とか、「口の中の描き方はどうなのか」などを自分の引き出しの中にしまって、別のイラストで使いたいなと思ってたりします。
最近はさらにもうちょっとちゃんと絵の勉強をしたいと思うようになって、絵画を題材にすることにも挑戦しています。
絵の勉強は全くしたことがないので、模写するとほんとうにいろんなことが見えてきます。
まず挑戦したのは、フェルメールの『真珠と髪飾りの少女』です。
油彩調ではなく水彩調にして、元絵にはない眉毛、髪の毛などを足しています。下描きをせず、いきなりペン入れしています。
フェルメールは意図的に眉毛や髪の毛を描いてないのだと思うのですが、私が描くとなんかバランスが取れなくなるんですよね。
ということで、顔は現代の女性っぽいイメージで仕上げました。
ちょうど神田伯山先生のTBSラジオ『問わず語りの神田伯山』で、『SLUM DUNK』のリョータの彼女の話が出ていたので、それっぽい垂れ目の女性を描いてみました。
普段から輪郭をペン入れして色塗りをしているんですが、油彩画は輪郭を描かない方が多いんですよね。
ということで、次に挑戦したのがこちらです。レンブラントの『笑う男』です。
輪郭は描かず、しかも下描きせずにいきなり目から描き始めたのでデッサンが狂ってます。
後で聞いたら、油絵でも下描きしていいということなので、次回からはもう少しマシになると思います。
デッサン的にはイマイチなんですが、色の塗り方は非常に勉強になりました。
油彩は色を重ねていくので、無限に描き続けていけそうです。時間があればあるだけ完成度が高くなっていくような気もします。
こういう絵を練習することで、また新たな描き方や塗り方ができるようになり、イラストにも活かしてみたのが次のイラストです。
ちゃんとした絵画で練習したことで、光と影の描写に少し味が出てきたように思えます。この絵をTwitterにあげたところ、NHK将棋講座テキストの表紙のようだというコメントをいただいたので、ちょっとパロディ化したのが次のイラストです。
エネッチケーさんから怒られたら消します(汗)。
そんなわけで、これからもいろんな練習を重ねて、イラストの幅を広げていきたいと思います。