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『華氏119』 アメリカの分断と団結の現状

評価:3.5

華氏119(字幕版)

華氏119(字幕版)

  • 発売日: 2019/03/19
  • メディア: Prime Video

2020年の大統領選は未だにトランプが負けを認めていないが、そうなることはある程度この頃から見えていたのかもしれない。
ボウリング・フォー・コロンバイン』などで有名なマイケル・ムーア氏の『華氏119』は、2016年にトランプがなぜ大統領になったのかをムーア氏独特の映像手法でまとめたドキュメンタリー映画である。
個人的にはあまり好きではない手法もあったりするのだが、ミシガン州フリントでの水質汚染問題やウエスバージニア州の教師のストライキなどを交えながら、アメリカ合衆国で起こっている分断と団結の現状にリアルに迫っている。
トランプ大統領の誕生はアメリカでも予想外の出来事だったことも窺い知ることができるが、今回の2020年大統領選でトランプ氏が獲得した票の多さについては、やはり改めて考えてみる必要があると思える。
映画としては相変わらず情報量が多く、ある程度アメリカの情勢を知っていないと理解できないことも多いのだが、やはり銃規制の問題については説得力がある。これについては、『ボウリング・フォー・コロンバイン』から脈々と続いているムーア氏のライフワークであり、最も訴えたいことなのだろう。銃乱射事件の生存者のスピーチは胸に迫るものがある。