評価:4.0
人々が活動を終えた深夜から早朝にかけて営業している食堂を舞台とした人間ドラマ。
何かしらの過去を背負っていそうなマスター、ヤクザ、オカマバーのママ、水商売の女、料亭のおかみ、警察官、元愛人の女、無銭飲食犯、置き忘れられた骨壺……。
出てくる料理は簡単なものが多いが、それでも何かしら心に染みるのは、マスターの人柄であり、この店の持つ居心地の良さなのだろう。
コロナ禍ですっかり変わってしまった新しい生活様式においては、この世界は懐かしさすら感じてしまう。深夜に見ず知らずの店に入って、常連との会話に参加する楽しさ。そういう世界がはるか遠くになってしまった気がする。