マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『サイダーハウス・ルール』 メインの王子、ニューイングランドの王

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この映画、ジョン・アーヴィングが原作・脚本なんですね。なるほどなるほど。観てから知りました。

メイン州の片隅にある孤児院で育った青年ホーマーの物語。

ホーマーが、生まれ育った孤児院を出て、リンゴ園で働くという話です。

監督は『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストロム。

ギルバート・グレイプ』も風景の綺麗な映画でしたが、この映画も春夏秋冬の映像が綺麗です。

予備知識なしで観始めて、最初のうちは「たるい映画かなぁ」という印象でした。孤児院という設定からして、いかにもありふれた泣かせる映画なんだろうなという感じです。

ですが、ホーマーがリンゴ園に行ってからどんどん映画の世界に引き込まれていきました。

サイダーハウスというのは、リンゴ園の労働者たちの宿舎のこと。サイダーというのは、サイダー用のリンゴのこと。普通には売れない、傷付いたり形のよくないリンゴです。労働者たちを、そんなリンゴに重ね合わせてそう呼ばれています。

……いや、なんというのか。この映画、観てない人には何と説明していいかわからない雰囲気があります。

小説としてもう一度読んでみたいです。というか、これは紛れもなく文学です。

コレといった盛り上がりも、感情をあおる演出もないんですが、心に残るものがあります。

ニュー・シネマ・パラダイス』のように後から後から涙が止まらないという感じではなく、心の奥がジ〜ンとしてしまうような感じです。

いいなぁ、こういう映画。また観たい映画です。

というか、原作読みます、はい。読ませてください。