マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『ほんとにあった! 呪いのビデオ』39

評価:4.0

「廃アパート探検」
深夜の廃アパート。かつて父親が幼い娘を風呂に沈めて殺した現場として有名だという。
そんな廃アパートを探検するカップルだったが、女性の方がある一室で隣の部屋から声が聞こえると言い始める。
その声を求めて隣の部屋の風呂場に行くものの、何も聞こえない。
もう帰ろうという女性に従って部屋を出ようとしたところ、すりガラスのドアの向こうに『呪怨』の子どもの霊のような姿が映っていた。

「放火」
一人暮らしをしている姉の部屋を携帯のビデオで撮影する投稿者。
ユニットバスを撮影中に、部屋の明かりが突然落ちる。
一瞬、部屋が明るくなってなったかと思うと、撮影者の後ろに白い女性の顔が映っていた。
そのアパートでは、放火されて焼死した女性がいたというのだが。

「仏像」
友人の家の近所にあるお寺の有名な仏像を見に行く男性二人。
カメラのフラッシュで、仏像に顔のように見えなくもない影が映っている。

「赤子」
投稿者が赤ちゃんの頃の映像。
布団に横になっている赤ちゃんの左目が、異様に大きく黒いアーモンド状のものに置き換わるような映像。
その中には何かが映っているように見えなくもないが、よくわからない。

「狂死のビデオテープ 蛮行」
『ほんとにあった! 呪いのビデオ』30の『人形を見つめる眼』で初登場した「心霊博士」だが、まさかここまで壮大なシリーズになるとは思っていなかった……。
再登場するのは『ほん呪』36の『恨眼』。投稿した映像がなかなか採用されないことに腹を立てた「心霊博士」が、黒く塗った鳥の死骸が入った段ボール箱を事務所の前に置き、スタッフを呪い殺すというメッセージとともにビデオを投稿してきたのだった。
そこから定番シリーズとなり、『ほん呪』37の『狂死のビデオテープ 胎動』ではその「心霊博士」が元予備校講師・浅野(仮名)であることが明らかになり、精神を病んで自殺してしまっていたことが判明する。さらに、浅野が送ってきていたビデオテープをよこせと不審な男が事務所に来たのだった。
前作の『ほん呪』38「狂死のビデオテープ 暗躍」では、浅野の娘恭子が登場。浅野の死後、ビデオを寄越せと執拗に小田という人物(事務所来た男と同一人物)から迫られていたと語ったのだった。その後、浅野の教え子だった女性から、浅野が日本史の授業中に語った物語が明らかになる。関東地方の村に隠れ住んでいた徴兵逃れの兵士が憲兵に捕らえられ、拷問の末に死亡するが、拷問した軍人やその家族も死んでしまうという話だった。この生徒のノートには、「久杉少尉」という名前が残っていたという。浅野は、『リング』のように、観たら狂い死ぬというビデオテープを持っているという持ちネタがあったともいう。その後、事態は急展開し、事務所のドアに「テープ全ブと交カン ○○公園」というメッセージが書かれ、浅野恭子から「あなたたちが……テープ渡してくれないからですよ」という留守電のメッセージが残されていたのだった。
と、前回までの話を見返さないと話が全くわからないくらい、登場する人が全て変な人なシリーズの続編である。

小田が指定した公園へ向かうスタッフ児玉と伊月。
雨が降る中、公園が暗くなるまで待ったが、小田の姿はない。
仕方なく、一旦車に戻ろうとしたところ、暗闇から上着の前をはだけた軍服姿の男が、奇声を発しながら日本刀のようなものを振りあげて襲ってくる。とっさに避けたスタッフ伊月がビデオテープの入った袋を落としてしまうと、男は何も言わずにその袋を奪って逃げていった。
どうやら顔を赤く染めた小田のようだった。
小田のアパートを交代で見張るスタッフ。
しかし小田が現れることはなかった。

小田が襲ってくるシーンを見返してみると、小田の背後に白い影のようなものが浮かんでいたのがわかった。
小田に襲われてから2日後、浅野氏の引っ越し先の住所がわかったと予備校教師山本から連絡が入るのだが……。
(つづく)

「残された動画」
携帯に撮影した覚えのない動画があるという。
そこには結婚式の映像が撮影されていて、最後に映った鏡に不気味な顔が浮かんでいるという。
確かに、神前の結婚式の様子が残されているが、最後に神棚にある丸い鏡に黒い影が映っていた。それは長い黒髪の女性の後ろ姿で、振り返った女性が恨めしそうにカメラを見つめている……。

シリーズ監視カメラ
「留守番モニター」
一人暮らしの父親の姿を録画し、ネット経由で観られるサービス「留守番モニター」。
母の命日に録画された映像で、机の下から見上げる顔のようなものが映っていた。

「狂死のビデオテープ 続・蛮行」
浅野氏の妻玲子さんに電話したものの、浅野氏には息子はいるが娘はいないという事実を知らされる。
玲子さんによれば、久杉という女性がビデオを全部渡せと言われていたという。
久杉は、浅野氏が持っていたビデオの中に人を呪い殺せるビデオがあるはずだと話していたという。
さらに、浅野恭子の映像を玲子さんに確認してもらったところ、やはりそれは久杉だった。

小田のアパートで、他の部屋の住人に確認しに行くと、小田の部屋は大家の久杉の部屋だと証言する。
さらに、小田は久杉の弟だということが判明する。

スタッフはこれまでの首謀者は久杉(姉)で、久杉(弟)を使って心霊博士のビデオテープを奪おうとしたのではないかと推理する。
また、『ほん呪』38で、浅野氏が予備校講師時代に話していた徴兵逃れをして憲兵に殺された軍人も久杉少尉だったことが改めて確認される。
このことから、久杉姉弟は、この軍人の孫ではないかという推論に辿り着く。

後日、浅野玲子さんからビデオテープが送られてくる。
浅野氏の死後、テレビの裏から出てきたテープだという。
そして仰々しい警告の後、その映像が流れる……。

……この映像は流石に迫力がありすぎて……詳細はご自身の目でご確認いただきたい。

その後、スタッフルームのドアに赤い文字で「いずれみんな呪い殺す」と書かれる事案が発生。

また、先ほどの映像をスタッフの中で唯一確認したという編集スタッフの大杉東と、連絡が取れなくなっているという。

このシリーズはまだまだ続くかもしれない……。