マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『ほんとにあった! 呪いのビデオ』35

評価:3.0

「中古ビデオカメラ」
フリーマーケットで買った中古のカメラに入っていたDVテープに映った映像。どうみても志摩スペイン村なんだけど、まぁそれはいいか。
ダンス中に映像がフリーズして、黒い影の中に顔のようなものが現れる。確かにナレーションの言う通り、顔のように見える。
この投稿者は、この映像を観た後、気分が悪くなって嘔吐したという。視聴者にも観すぎないようにと警告しつつ、ゆっくり繰り返すところがまた『ほん呪』らしいというか何というか。

「海岸」
海岸で遊ぶ若者たちの映像。デッキチェアの下に黒焦げの手のようなものが映っているというが、ほんとに一瞬でよくわからない。

「シリーズ監視カメラ 河川」
河川を映す定点カメラの映像。自転車で橋の上を通る男性の後ろに、女性の上半身がしがみついているように見える。言われてみればそう見えないこともない。あまりにも自然すぎて全く気づかなかった。

「肝試し 前編」
投稿者がアルバイト先の友人宮前さんと心霊スポットという噂のある深夜の公園で撮影した映像。
同封された手紙には、ぜひ話を聞いて欲しいということで、スタッフが取材する。お馴染みのスタッフ岩澤は『ほん呪』34で離脱したため、スタッフ長田(女性)初登場。
投稿者は、心霊モノが好きな宮前さんと一緒に、心霊スポットの公園に行って撮影をしたという。その後、宮前さんの部屋に行くのだが、彼はその途中からだんだん無口になり、部屋に戻った後少し飲んで眠ってしまったという。夜中に宮前さんがトイレに起きたとき、チャイムが鳴ったという。宮前さんがそれに応対して、玄関で「そういうことから始まったんだ」という声を聞いた投稿者だったが、朝になると宮前さんは部屋からいなくなっており、その後連絡がつかないようになり、最終的には行方がわからなくなったという。
撮影した映像には、目のような映像がノイズのような音とともに入っているという。
投稿者の話によれば、その心霊スポットにはかつて病院の廃墟があったという。
宮前さんの消息は、付き合ってたという彼女もわからないという。
スタッフ長田が現地取材。病院の廃墟のようなものはなく、普通の公園のようにしか見えない。調べたところ、確かにかつては結核病棟の廃墟があったらしいが、2000年以降に取り壊されたという。
取材の後、投稿者の電話の内容をしゃべるスタッフ長田の後ろには、スタッフ菊池の写真が立てかけられていた。もう一枚写真があるが、その男性の顔はよくわからない。スタッフ岩澤でないことだけはわかる。
その電話によれば、宮前さんが実家で病気療養中だということがわかったという。
つづく。

「家族旅行」
家族旅行の映像。子供たちを映す部屋の窓の外から、髪の長い女性のような影が映っている。まるでこの部屋を外からカメラをのぞき込むかのように。

「黒い物体」
恋人の女性とラブホテルで撮った映像。
取材はスタッフ長田。ラブホテルでの話をする投稿者に、長田は苦笑いしながら聞いている。彼女がシャワーに行っている間に携帯電話で撮影すると、黒い影のようなものが映ったという。
渋谷の道玄坂にあるホテルで、昔OLが男に振られて自殺していたという噂があるらしい。
映像を観ると、確かに黒い影が横切った後、女性の頭のようなものがカメラに迫ってくる。いやぁ、なかなか怖い映像である。
投稿者の男性は、この取材の後、電車に飛び込み、亡くなってしまったという。

「暗闇から…」
花火をする家族の映像。
スタッフ長田が取材をするのだが、長田が着ている白いシャツの背中が赤い「呪」という文字がデザインされているのだが、それが気になって話が入ってこない。どうしたんだ、そのシャツは。
映像を撮った後、こどもの首に湿疹のような打撲が残っていたという。
映像を観ると、確かにこどもの首に灰色の手のようなものが伸びているのが映っている。

バナナの叩き売り
携帯電話で撮影したバナナの叩き売りの映像。
バナナの叩き売りをしている台の下に白い顔のようなものが映っているというが、画像が荒すぎてよくわからない。

「肝試し 後編」
宮前さんの元恋人・沢井さんに取材する。
ふたりでお祭りに行く予定をしていたが、待ち合わせに来なかったという。電話しても連絡が取れなくなり、部屋に行ったが反応はなく、合鍵で入ったところ、彼は家に居たという。しかしほとんど反応はなく、ベッドの上でボーッとしていたのだという。彼女は限界を感じ、彼に別れると言って部屋を出てきたという。
しばらくして、全く反応がない彼のことが気にかかり、部屋に行ってみたが、そこは既に空き部屋になっていたという。
最後に会ったのは、どうやら肝試しの翌々日のことだったらしい。
沢井さんは、彼の家から荷物を持ち帰る際、荷物の中に肝試しの日に撮ったらしい写真データがあったという。
そこには、投稿者と宮前さんがふたりとも被写体として写っている写真があったという。二人はその日持っていたビデオカメラとデジカメを手にしており、誰が撮った写真なのかはわからなかった。また、その画像はかなりノイズの入ったものだった。
投稿者に電話するスタッフ長田。
実際の映像。廃墟の病院がないことに不満を語る宮前さんの映像に、妙な声のようなノイズが三回入る。その最初のシーンで、確かに目のようなものが映り込んでいる。
編集スタッフ大杉が、三枚のノイズ画像を合わせると、顔のように見えることを発見する。
さらにそのノイズ音をつなぎ合わせると、「見せてやる」と聞こえるというのだが……。

やはりスタッフ岩澤がいないのが物足りない。

それはそうと、この映像を観た翌日、私の部屋にも黒い影のようなモノが視線の端に見えたような気がした。
一瞬ビビったものの、それは非現実的なものではなく、二十数年住んだこの家で初めて見るGの姿だった。
先日、部屋のシーリングライトを取り替えて調光機能付きのLEDライトにしたのだが、なぜかこの光に引き寄せられるように這い出て来たのだ。決して、『ほん呪』シリーズを観ていたからではない……と信じたい。
格闘すること数時間。追いつ追われつのデッドヒートを繰り広げた末、私は御札ではなく、アースゴキジェットプロでGを仕留めることに成功した。ゴキジェットプロとともに、根絶やしにするべくブラックキャップ(据え置き型対G兵器)も購入し、緊急配備したことは言うまでもない。かみさんからは部屋の掃除を徹底的にするように任務を課せられてしまった。
やれやれ、恐い話というのはほんとうにあるのである。