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「赤毛のアン」以降、女の子主人公モノが続いている。これはある種のブームのようなもので、別に意識してそういう映画を借りてきているわけではないのだが、気付くと借りてしまっているのである。
そんなわけで、先週借りてきた映画は、「エイミー」。
オーストラリアが舞台の映画。
やせっぽっちの女の子エイミーが主人公である。
雰囲気は「バグダッド・カフェ」にちょっと似ている。
あることがきっかけで話すことも聞くこともできなくなった少女とその母親が、オーストラリアのメルボルンにある貧しいマーサー・ストリートに引っ越してくるところから物語は始まる。
このストリートに住んでる人々はみな貧しく、誰もが問題を抱えています。
酒と暴力に溺れる夫と、それに悩まされ続ける母と少年。スクラップ同然の車を延々と修理する兄弟。美容師に首ったけのイカレタ姉と、音楽漬けの弟。全てのことに不満を吐きながら家の前に水をまきつづける老婆。
そこには救いも希望もないし、バグダッド・カフェの砂漠と同じようにやるせない荒涼感に満ちている。
貧乏だから荒れるのか、荒れるから貧乏なのか。
そんな決して恵まれているとはいえない環境の中で、ロックバンドのボーカルだった父の死後心を閉ざしていたエイミーは歌うことによって徐々に心を開いていく。
端的に言ってしまえばそれがこの映画のテーマです。
しかし、その過程が実に悲哀に満ちているんです。
そしてエイミーの歌声が心を和ませてくれる。
その結果、エイミーが心を開くと同時に、実は周りにいる人々の心までも開いていく。
もちろん、それは観ている観客も同じである。
エイミーの歌声とともに、心の奥にしまっていた頑なな何かが音を立てて崩れていくのを感じる。
そんな映画でした。
この映画は、実はかみさんの方が先にハマった。
エイミーの可愛らしさと歌声に魅了されてしまったらしい。
おかげで、かみさんのチャット名が「エイミー」に決定した(笑)。
そんなわけで、これからは「納屋妻」改め「エイミー」としてチャットに出没するらしいので、見かけた方はよろしくお願いします。