クロスファイア(上) クロスファイア(下) (Amazon)
鳩笛草から随分時間が経ってしまいましたが、ようやく読み終えました。
『燔祭』も映画とは違うなぁと思いましたが、違うの雰囲気やディテイルで、基本的には同じ話だったんですよね。
ところが、この『クロスファイア』は最初から最後まで全く別物という感じでした。
一応登場人物は同じ名前なんですが、性格も見た目も雰囲気も何から何まで違う感じです。映画で桃井かおりが演じた「石津ちか子」だけが同じ人物だという気がしました。
話自体も全然別モノでした。
確かにグイグイ引っ張られる感じで、上巻読み終えてからは一気にラストまで読んでしまいました。この辺はさすが宮部みゆきという気がします。
ただ、ラストとしては……。まぁこうなるのは仕方ないのかなぁという気もするんですが、個人的には肩すかしを食らったような印象です。
ああいう性格設定だとこうしてしまうしかないなぁとは思うんですが。
しかし、映画『クロスファイア』は全く別モノではあるんですが、青木淳子という人物はやっぱり原作の方が青木淳子らしい気がします。念力放火能力者が抱える問題や葛藤、そして寂しさ。
映画ではイマイチ「寂しさ」が描ききれていなかったような気がしたので、原作を読んだのは正解でした。
というより、原作だけで良かったかも(笑)。
今度は『模倣犯』でも読んでみようかなと思います。こちらは映画版の評価が最悪なので(仲居くんだしなぁ)、原作だけでいいや(笑)。