評価:
(Amazon)ドラマ版を観て、原作がどんなだろうと思い、読んでみた。
ドラマ版とは違い、90年代後半の少し懐かしい時代。主人公の井之頭五郎はどちらかというと付き合いにくいタイプ。酒は飲まず、斜に構えながら、自分の失敗は認めたくない。どこにでもいそうだが、今実在してても、スマホで料理の写真を撮ってツイッターでつぶやいたりしないだろう。むしろそういう人たちを冷ややかに眺めやり、自分の注文した料理の組み合わせを反省しながらひっそりと「それにしても食べ過ぎた」などと独り言をしていそうだ。
盛り上がりはなく淡々と食事のシーンが続くが、いつのまにかその世界に引き込まれる。そして、やはりご飯が食べたくなるのである。