マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『1Q84』BOOK2

評価:5.0

1Q84 BOOK 2[単行本]@Amazon (Amazon)
編集者小松に誘われるまま、ディスレクシアで美人な17歳のふかえりと『空気さなぎ』を書きあげた川奈天吾。
『空気さなぎ』は小松が予想した通り、話題になり爆発的に売れた。
しかし、その物語は新興宗教団体「さきがけ」の内部に確実にダメージを与えていた。やがてふかえりは保護者・戎野の指示の元、姿をくらまし、天吾の元へは牛河が現れる。
「そして率直に申し上げまして、我々はとても長い腕を持っています。長くて力強い腕です」

一方、「さきがけ」によって損なわれた少女の復讐を誓った青豆は、タマルの指示に従って主宰暗殺の準備を整える。
ホテルオークラにマッサージ師として潜入する青豆だったが、主宰を護衛する坊主頭は青豆に告げる。
「我々は小さな宗教団体です。しかし強い心と長い腕を持っています」

天吾と青豆の物語は、「さきがけ」とリトルピープル、そしてふたつの月によってふたたび重なる。小学生の頃、互いの手を握り合ったふたりが見つめていたものに導かれるまま「1Q84年」という世界に引き寄せられ、そしてすれ違っていく。

「だから言っただろう」、父親はしかめつらしく咳払いをひとつしてから言った。わかりの悪い子供に単純な道理を説くみたいに。「説明しなくてはそれがわからんというのは、どれだけ説明してもわからんということだ」