マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


インフェクション/感染

評価:2.0

昨年の12月19日にFOXムービーで放送されたものを録画していたのだが、こういう時期なので観ることにした。
中東で生物兵器が使用され、空気感染する急性疾患により全世界がパンデミックに陥るというストーリー。
冒頭から時間軸が行ったり来たりして、どの時点の話なのかが敢えてぼかされている。
ボンボンで生活には困っておらず、作曲をして生きていきたいと願う青年エリック。
その婚約者で、ちょいちょい示唆的な映像を観るアナは、元カノにも愛想良く話すエリックに嫉妬するが、その実エリックのことが好きでたまらない。
エリックの祖父アンディは、かつて病気の娘を救うためにある生物兵器の科学的情報を売った過去を悔いていた。
その妻エスターは、サッチーにしか見えないが、アンディから愛されていて、孫のエリックが連れてきたアナを気に入っていた。
アンディはとある裁判で証言を求められているのだが、その弁護を担当するミアは、アンディが裁判とは関係のない罪の懺悔をし始めたのでうんざりしていた。
ミアの夫レンは小説家を目指していたが、現在は無職。
レンの妹サラは看護師をしていたが、患者の夫アンディから、蔓延しつつある病原体の対処方法を聞き、レンに伝えるのだが……。
エリック&アナ、レン&ミア、アンディ&サッチー(違)のそれぞれのカップルを軸として、パンデミックに襲われる前後の街の様子が淡々と語られる。
カミュの『ペスト』と同様、感染爆発下でも続く人々の営みを綴りつつ、その不条理な運命を描いている。
時間軸が意味もなく行ったり来たりするのでわかりにくい上、肝心の生物兵器が結局はどういうものであるのかさっぱりわからない。
季節風に乗って運ばれてきて、空気感染して、一瞬で致命的ダメージを受けて死んでしまうらしいが、一週間なんとか外の空気を吸わずに過ごせば生き残れるかもしれない。
道路上でもバタバタと人が倒れて死んでいくのだが、感染拡大期には病院に搬送される患者も意識があったりして、なんだかよくわからない。
ここ最近観たパンデミックものの映画の中ではダントツにリアリティがなかった。