マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『海辺のカフカ』 読書の秋とはよく言ったもので

海辺のカフカ〈上〉 海辺のカフカ〈下〉(Amazon)
いやはや。読書の秋とはよく言ったものです。

8月の終わり頃からBOOK OFFによく行くようになったのをきっかけに、いろいろと古い漫画を買って来ては読んでます。

ドカベンやらキャプテンやら。

最初は、待ち時間の多いゲーム(スパロボF完結)の合間なんかに読んでいたのだが、最近では時間があると漫画を読んでいたりします。

で、漫画を読むことでちょっとした読書の時間を過ごす習慣がつきました。

そんな折、ついに発売された村上春樹の新作「海辺のカフカ」。

村上春樹の長編としては、「ねじまき鳥クロニクル」以来の新作。

早速、通勤電車の中の時間は「海辺のカフカ」にささげられることになりました。

GBA陥落(笑)。

★★★

で、「海辺のカフカ」なんですが、読んでない人のためにあまり内容には触れませんが、さらっと印象などを。

今までの村上春樹の作品が好きだった人は、文句なく楽しめる作品にできあがっていると思います。

特に「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が好きな方には、懐かしさとともに新たな知的興奮があります。

納屋は読むのが遅いので、まだ上巻の300ページ付近なのですが(この作品、紙が薄いので、本の厚さの割に意外とページ数があります)、実に楽しんでおります。

いつもながらの「僕」視点の文体に加え、ごにょごにょ(笑)。<ネタバレを隠してるつもり。

いやほんと。久しぶりに楽しませてもらっています。

前作からの間に、「アンダーグラウンド」(地下鉄サリン事件の被害者の方々へのインタビュー)、「約束された場所」(逆に、オウム真理教信者へのインタビュー)、「神の子たちはみな踊る」(阪神大震災にからめた短編小説集)が発行されているんですが。あ、その前に「スプートニクの恋人」(中長編小説)もあるか。

実は、「アンダーグラウンド」は買ったものの、途中で読むのを止めてしまいました。

それはあまりにストイックなインタビュースタイルを貫く彼の手法と作品世界との間に、どこかしら読者とはかけはなれてしまった感じを強く受けたからでした。

それまでの村上春樹的な部分のうち、ストイックな部分(それは納屋にとっては必ずしも好きな部分ではない)が印象強く、最後まで読む気力をそがれてしまったからでした。

同じ理由から、「約束された場所」も読んでません。

「神の子たちはみな踊る」は、久しぶりの短編小説ということで期待してたんですが、どちらかというと「レキシントンの幽霊」(西洋風なちょっと不思議な話の短編小説集)の方が好きでした。「焚き火」の話はちょっと印象的でしたけど。

スプートニクの恋人」は、……これもあんまりピンと来なかったような気がします。というより、全く印象が残っていない。確かに買って読んだはずなのに(笑)。

やっぱり書評というか、読んだ記録をどこかにクサビのように残しておかないと、後から思い出せません(汗)。昔は読んだ小説の文章だって思い出せたのに(笑)。歳をとったもんです。


さて。

何の話だっけ。

そうそう。「海辺のカフカ」でした。

納屋は今、上巻の途中まで読んでるところなんですが、やっぱりいろいろと考えさせられます。

ふと、「ねじまき鳥クロニクル」以降の作品を読み返してみたい思いにかられています。

そして、ちゃんと読んだ印としてのクサビをどこかに打っておこうかと思います。

そう。今また、村上春樹ワールドに魅せられているような気がします。

やれやれ。