マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『マイノリティ・リポート』 未遂の世界

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舞台は2054年のアメリカ。

予知能力を持った3人の「プリコグ」により、殺人を予知させる世界。予知通りの殺人が起きる前に防ぐという方法で、殺人事件のない社会を作り上げています。

主人公ジョン・アンダーソン(トム・クルーズ)は、犯罪予防局のチーフ刑事。未来的なウェアラブル・デバイスを操り、「プリコグ」の予知夢を記録した映像から殺人現場を特定する場面は、まさにヴァーチャル・リアリティの世界。

予知された殺人を防ぐということは、結果として予知が外れるんじゃないかというパラドックスを突いてジョンと敵対するのは、『デアデビル』でスキンヘッドのブルズアイを演じたコリン・ファレル。全然別人に見えてしまいます。

デアデビル』のブルズアイではかなりユニークで、主役以上に印象に残ってたりするんですが、ここでは完全にトム・クルーズの引き立て役に徹しています。

ストーリー展開は、普通のサスペンスの王道のような感じですが、結構面白かったです。

未来を知っていながら、それを未遂に終らせるというパラドックスは、今までもSFの中で繰り返しやってきた話なんですよね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もそうだし、『ドラえもん』だってそうです(笑)。

その矛盾に焦点をあてると、いろんな葛藤やら問題が生じてドラマになるんですが、この映画はそこらへんをなかなか面白く描いています。