マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


 ありがとう、しおどめ名画座

非常に残念でならないんですが、新橋のDVD定額レンタル屋のしおどめ名画座が、8月いっぱいで閉店することになってしまったようです。昨日店長さんに言われて愕然としてしまいました。

元々実験店舗的な目的だったので、当初の目的は達したとのこと。今後は、郊外に移って営業を続ける予定だそうですが、とりあえず新橋からは撤退ということになるそうです。

怒涛のようにDVDが観れたのは、この店のおかげなんですが(汗)。この店がなくなってしまうと、もう普通のレンタルビデオ屋なんて行けないんですけど、どうしよう……。

最近では新作は予約入れないとなかなか借りられないくらい会員は多かったはずなんですけどねぇ。みんなが借りられるようにするためには在庫を増やすしかなく、そのためには店舗面積が狭い現状では苦しい。かといって、店舗面積を増やすには都市圏では家賃が高い……ということなんでしょうね。

元々、ビデオのレンタル屋というのは郊外型のビジネスモデルなので、郊外に行けばそれ相応の店舗面積と在庫量を確保できるだろうな、とは思います。が、今のような会員(質、量ともに)が確保できるか、という意味では、駅前や駅構内のようによっぽど立地条件がよくないと辛いかなと思います。

乗降客数の多い駅の構内に店を構えることができれば、これまでのOLやサラリーマン以外にも、学生や家族連れが利用しやすくなるんですね。現在の料金支払方法はクレジットカードのみになってますが、そこをある程度柔軟にすることができれば、大ヒットする可能性が高いビジネスモデルだと思います。

定額2,000円というのは絶妙のラインで、普通のレンタル屋で一ヶ月に2,000円分借りない人でも、定額ならばそれ以上借りようかなと思う料金設定だと思うんですよね。

インターネットの定額DVDレンタルの超えられない壁「返却DVD投函から次の貸出DVD到着までのタイムラグ」がないため、あらゆる意味で画期的なシステムだったんですけどね。残念。

オンライン定額DVDレンタルのサービスは、DISCASぽすれんDVDZOOを買収)の二大巨頭の争いに収斂されつつありますが、やっぱりネックはこのタイムラグなんですよね。ポストに返却してから次の貸出が届くまでに数日かかる。結局1週間に2枚程度しか借りられないんですね。おかげで、イマイチ定額レンタルの優位性が感じられない。確かにTSUTAYAで1枚350円で借りることを考えれば安いかもしれないけど、半額セール時に1枚180円とかで借りれたりすると微妙なラインになってくる。

しおどめ名画座のような店舗型だと、返却してすぐに借りることができるんですが、会員が増えてくるとなかなか借りたいDVDが借りられなくなってくる。しかし、店舗型のために在庫をそれほど抱えることができない。元々定額制は会員が増えてナンボのビジネスモデルなので、会員が増えることはいいことなんだけど、それによって会員個々のサービスレベルはどうしても低下してしまう。

両者のいいところを併せれば、実は画期的なサービスができるんですけどね。

  • 店舗は郊外の駅近辺に用意する
  • 店舗では、返却と貸出を行う
  • 店舗には在庫はかかえない
  • 予約はネットや店舗で行うことができる
  • 客は、自分の使う店舗を登録しておき、予約したDVDはその店舗で受け取ることができる
  • 客は、2枚まで(オプションで増やせるようにする)DVDを同時に借りることができ、返却すればその場でまた借りられる
  • 客は、2枚を借りる際に次に借りる2枚を予約ができる
  • 予約は全店舗(もしくは近辺エリア)の在庫状況を参照して行うことができ、在庫があれば予約が入れられるシステムにする
  • 予約されたDVDは、客が登録している店舗に翌日までに用意しておく


こんな感じ。これだと、膨大な在庫はオンライン定額DVDレンタルと同じように郊外の倉庫に入れておけばいいし、各店舗のコストは、キオスクレベルまで落としこむことができる。

予約なしでも借りれるようにしようとすると、在庫をある程度店舗に持たせる必要があり、どうしても通常のレンタルビデオ屋並のコストがかかってしまいますが、最初はそういう形態の方が受け入れられやすいかもしれませんね。在庫の二重管理を極力抑えたいところだけど。店舗固定在庫と流動在庫を区別してもいいし。

オンラインで書籍を購入して、それをキオスクやコンビニで受け取るサービスがあるけど、それのDVDレンタル版をやってしまおうということ。郵便を使うよりも、流通の信頼性が高くなるし、流通コストも削減できるはず。利用者にとっては例の返却から貸出までの魔のタイムラグを限りなく0に近づけられるので嬉しいはず(家ではなくて、近所の店舗まで行かないといけなくなるけど)。

オンラインDVDレンタルで、ある程度在庫管理のノウハウも積み上げているはずなので、これを地域エリアごとに管理するようにすれば、さらに効率的な運用ができると思うんですけどね。

こういうサービスを例のlivedoor堀江社長あたりが採用してくれないかなぁ。そうすれば、今のぽすれん以上に会員を集めることができて、近鉄買収する以上に収益期待できると思うんだけど。ダメっすか?