評価:
(ぽすれん) (Amazon)ええと。いい映画です。チョナンカンありがとう。
全編韓国語の映画なんですが、登場人物はほとんど日本人。国籍不明(って韓国なんだろうけど)の場末のホテルが舞台。
名もない訳ありの人たちが集うホテルビーナス。韓国語的に言えば「ピナスー」でしょうか。
韓国語では語頭に「ビ」が来ると「ピ」と発音するんですよ。「ビビンバ」は「ピビンバ」だし、「B'z」は「ピズ」です。ま、どうでもいいんですが。
最初のうちは、正直言って「おしゃれさを気取ったイケスカナイ映画」という印象でした。かみさんに、「またつまらなそうな映画やね」と言われて、「いやほんと。失敗しちゃったみたい」と答えてたくらいです。
ところが、サイが笑う場面あたりから徐々に引き込まれて行きました。
ブツ切のカットイン、モノトーンに近いカラーリング、どちらかといえば臭いセリフ回し。しかし、それらが韓国語で語られる中に、非現実的でうら寂しい世界観が構築されてます。
こんな衝撃を受けたのは『スワロウ・テイル』以来です。あの映画は私の中ではまた格別なんですが。日本映画のこういうジャンル(よくわかんないジャンルだけど)では、久々の収穫だと思いました。
サイが笑うまでの単調さに我慢できるかできないかで評価が変わりそうな作品です(実は諦めかけた)。
BGMはラブサイケデリコ(って今まで知らなかったんですが)だそうで。これがかなりイイんですわ。『デスペラード』は誰が歌ってもイイと思うんですが、ここぞというシーンで使われてます。
評価としては、「つかみ」に失敗してるという意味でちょっと低めにしましたが、十分いい映画だと思います。
個人的には、セリフがイチイチど真ん中ストライクでした。実はこういう言葉攻めに弱かったりします。