評価:
(ぽすれん) (Amazon)ガンを克服するための特効薬として、ウイルスをベースに開発された薬が、人類を滅亡させる脅威のウイルスに変貌する……。
その過程だけで1本の映画ができてしまうのではないかと思うんですが、この作品は、その後の世界を描いているんですね。
廃墟となったニューヨークを舞台に、ウィル・スミス演じる科学者ロバートと一匹の犬が、ウイルスの治療薬を開発するために孤軍奮闘する作品です。
なんというか、ほとんどウィル・スミスの一人芝居なんですが、なかなか面白かったです。
ゾンビやバイオ・ハザードを紐解くまでもなく、凶暴化した人間に噛みつかれると感染してしまうという設定は、あまりにもたくさん繰り返されているホラー映画の伝統的な設定ですが、やっぱり根源的な恐怖心を煽るんでしょうね。
捕まったら終わりなのに、敵の巣窟に突入しなければならなかったり、安全なはずの自分の根城が襲われたり。
元々は狂犬病というベースがあって生まれた物語の類型だとは思うのですが、これほど繰り返されるということは、原始的に人間という種が持つ恐怖心を刺激するのではないかと思います。そういう意味で、非常に興味深いテーマです。