WF-1000XM3 ファーストインプレッション

SONYから発売されたワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン『WF-1000XM3』を試してみた。


これまで、ワイヤレスイヤホンは主に初代Airpodsを使っていたのだが、1時間を超えるラジオなどを聴いていると、電池が力尽きることが多くなってきた。

電池がヘタッてきたという面もあると思うが、もともとAirpodsは電池容量が少ないのが残念なところだった。軽くて耳につけるだけでほぼ問題なくペアリングできるので重宝はしていたのだが、例えば映画などを観ようとするとどうしても途中で「ポ・ポロポン」と電池寿命が少なくなってきたというメッセージ音が鳴るのである。これがまた切ない音なのだ。

また、AirpodsApple製品とのペアリングはできるが、その他の製品では繫がらないというのも難点だった。Android端末(Fire端末)やPCなどから接続できないので、Android用にも別のワイヤレスイヤホンを用意しておく必要があった。

いくらAirpodsが軽くて便利だとはいえ、二重持ちは不便だった。聞いたことのないメーカーのワイヤレスイヤホンを併用したりしていたのだが、これはこれでペアリングが思い通りにいかなかったりして不便だった。


片耳だけイヤホンを入れることも多いのだが、Airpodsだと特に何も考えなくても片方だけでも、途中から両方使っても、接続してくれた。しかし、サードパーティ製品はこのあたりが使い勝手が悪かった。片耳で聞いても両耳で聞いても、ほぼシームレスに使えるのはAirpodsの最大の利点だったと思える。

そういう状況に登場したのが今回のSONYの『WF-1000XM3』だった。

SONY製のワイヤレスイヤホンは、両耳がコードで繫がったタイプのものを使っていたことがある。これもまぁ良かったのだが、やはりコードが邪魔になり、ほぼ使わなくなっていた。BTの規格も古く、やはり電池がそれほど長く持たなかった。

『WF-1000XM3』は、モバイルバッテリー的な本体ケースが大きく、イヤホン自体も意外と大きい。しかし、電池の耐久時間は、ノイズキャンセリング機能を有効にしても公称で6時間とある。これは期待できそうである。

屋外で使ってみると、ノイズキャンセリング機能の性能の高さに驚く。車の音などが遮音されて、静寂に包まれたような状況になる。正直、ノイズキャンセリング機能をオンにして路上を歩くのは身の危険すら感じてしまうほどである。

全く聞こえないわけでもなく、耳を澄ませばかすかに音はしているし、電車のアナウンスもうっすら聞こえる。これまでのSONYのワイヤレスイヤホンにもノイズキャンセリング機能はついていたが、それとは別次元と言っていい。時代は進んでいるのだなぁと実感した。

ホームで電車を待ちながらラジオを聴いてたりすると、電車がやってくる音があまりにも静かなことに驚く。当然、かすかに音は聞こえるのだが、なんというか「これは身の危険を感じるくらいの静寂さだ」と思ってしまう。轟音を立ててホームに滑り込んでくる電車には、知らず知らず身を引くが、ほとんど音も立てずに近づくファッキン・プリウス(『パラノーマル・アクティビティズ』より)には、身の危険を感じるということだ。つまり、轟音を立てる電車がファッキン・プリウスに感じるくらいの効果、ということになる。

左耳のイヤホンをタップすると、外の音を取り込むモードに切り替わる。外の音を聞いておきたい状況ではそのモードの方が身のためだろう。操作方法は、別途インストールするアプリで変更もできる。

音質はAirpodsとは比べものにならない。『WF-1000XM3』の圧勝。試しにGooglePlayでJAZZのプレイリストをかけながらがやがやする食堂で本を読んでみたが、まるでジャズ喫茶にいるかのように本に没頭できた。喫茶店で周囲の席の不健康自慢や怪しげなセールストークに気持ちをかき乱されることもなくなりそうである。

耳へのフィット感はAirPodsの方がいい。「うどん」を耳から垂らしている分、落ちにくい(笑)。『WF-1000XM3』は筐体が重いので、耳の穴に30度くらいねじ込まないと落ちそうである。

ファーストインプレッションとしてはこんなものだろうか。Airpodsから乗り換えるには十分過ぎる。

というわけで、しばらくは『WF-1000XM3』をメインとして通勤に使っていく。電車が地下に入ってもほとんど外の音が気にならない。トンネルに負けないように音声を大きくする必要もなくなるというわけだ。

もちろん、ノイズキャンセリング性能はヘッドフォンの方がいいに決まっているが、個人的には外にヘッドフォンを持ち出す気には全くなれない。もっと周囲の音を遮断したいのであれば、『WH-1000XM3』に行くといい。