評価:4.5
石井妙子著。
現東京都知事の小池百合子氏の虚言・虚栄・変節を赤裸々に描いたノンフィクション。
カイロ大学首席卒業が真実かどうかは正直どうでもいいのだが、小池百合子氏の虚栄心の塊のような言動、そしの一貫性のない変節に満ちた政治活動の記録としては非常に面白かった。
民進党解体を誘発した希望の党発足時の騒動は、今でもよく覚えている。憲法観と安全保障の踏み絵により、民進党からの鞍替えを「排除」した希望の党は、しかし自らの失言によって失速する。
その民進党も、再編の動きが活発になってきた。安倍一強時代の終わりとともに、小池氏に振り回されて解体された野党がふたたび勢力を盛り返すことができるのだろうか。
この本の中で心に残っているのは、このイラスト(右上:北朝鮮が拉致被害者の横田めぐみさんが死亡していたと伝えた際の記者会見)の後の話。
自分のバッグを置き忘れたのに気づいて、戻って来た小池百合子氏のセリフがひどい。
「あったー、私のバッグ。拉致されたかと思った」