マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『蹴りたい背中』 綿矢りさ 「ハッ。っていうこのスタンス」

蹴りたい背中 (Amazon)
ええと。芥川賞の記者会見を見て速攻で本屋に買いに行ったのは内緒です(笑)。

でも実はあんまり期待してなくて、「どうせまた話題作りのための受賞やろ」程度で読み始めました。まさしく「ハッ。っていうこのスタンス」です。

確かに文章はところどころ稚拙なところもあるし、「書き直したい」と思えちゃうところもあったりするんですが(汗)、なかなか読ませてくれる文章でした。ええがなこれ、と。

孤高を演じる女子高校生の主人公「ハツ」と、ひきこもり一歩手前の男子高校生「にな川」の物語。

時折鋭く輝く文章が現れて、「ハッ」とさせてくれました。こういう文章は書こうと思ってもなかなか書けません。

特に何が起こるというわけでもない物語なんですが、最後まで一気に読んでしまいました。読後感も、「ふくらみかけ」という感じがしてていいですな。

完成された文章より、こういう荒削りの文章の方が、いろんな意味で勉強になっていいなぁ。何より刺激になります、はい。

蛇にピアス』はどうでもいいので(笑)、次は江國香織の『号泣する準備はできていた』を読みます。