マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


君の膵臓をたべたい

評価:4.0

活発で誰からも好かれる人気者の高校生の女の子、山内桜良(さくら)は、誰にも話していない秘密があった。彼女の膵臓は致命的な病を患っていて、余命が一年だと宣告されていたのだ。
彼女とは対照的に、引きこもり気味で内気なクラスメイトの僕は、偶然から彼女のその秘密を知ってしまう。他人と関わることをずっと拒否して過ごしてきた僕が、彼女と出会い、そして「仲良し」でいることで少しずつ成長していく物語である。
設定からしてお涙ちょうだいモノであることは明らかなのだが、主人公の僕が、何事も客観視する性質で、文体もクールな筆致で統一されているため、途中まではドライに読み進むことができる。
しかし、ある一点を超えてしまった後はもう感情の振れ幅が大きくなってしまう。この手の小説は、一気に読んでしまうに限る。涙もろい人は、人前で読まないことをおすすめする。電車の中で歯を食いしばりながら読んでしまったのだが、自宅でわんわん泣きながら読んだ方がよかったかもしれない。