マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『ドロロンえん魔くん VOL.2』 これぞえん魔くん

評価:3.5

ドロロンえん魔くん VOL.2@ぽすれん (ぽすれん) ドロロンえん魔くん Vol.2@Amazon (Amazon)
懐かしいアニメを観ようシリーズです。

ぽすれんでは1983年となっているんですが、調べてみると1973年でした。道理で絵が古いと思いました。

本放送時は1歳だったんだなぁと思うと、この作品の時代性を再確認してすごい作品だったんだなぁと思い直しました。

前巻では、ただ古くて懐かしい作品だなぁということと、フォーキーな感じがあるなぁと思ったんですが、それもそのはず。まさにフォーク全盛の70年代の作品だったんですね。

この巻あたりから、雰囲気がグッとえん魔くんらしくなります。人間になりたがる妖怪あすなろ、子供を守るために人間を砂に変えていく母親妖怪吸水蝶、火を燃やすことで誰かの役に立ちたいと思い続ける妖怪ひひ爺など、どれもこれも泣ける話ばかりです。

最初は妖怪を倒すことが目的だったえん魔くんも、雪子姫の言いつけ通り、妖怪を地獄に送ることが目的になってきてます。ドクロの兜をかぶった人力車のようなものが出てきて、妖怪が地獄に送られる、と。

送られる妖怪たちも、ただ単純に悪いだけじゃない、というのが重要なポイントですね。本当に悪いのは実は人間(の大人たち)で、光化学スモッグ排気ガスを吐き出しつづけるこの社会の方が地獄よりよっぽどひどいかもしれないよ、という深いメッセージ性が出始めています。

えん魔くんらしさを存分に味わうには丁度いい巻なのかもしれません。