マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『フランダースの犬 vol.13』 泣かせすぎの最終回

ASIN:B00005EDKQ
もう反則ですね、これは。泣かせすぎ。

第11巻の最後「おじいさんへのおみやげ」でおじいさんが亡くなるんですが。ちょうどアロアの誕生日パーティの日に。

ネロは一人で(パトラッシュもいるけど)おじいさんのお墓を作って埋めるんですよね。なので、おじいさんが死んだことを誰も知らなかったりするわけです。

で、会う人会う人、「ジェハンじいさんは?」って聞くわけです。おいおい。そりゃないだろと。そのたびに泣けるっちゅうねん。

第12巻では風車小屋の火事をネロのせいにされて、仕事も干されちゃうんですね。村人もネロと口きかなくなっちゃうし。もうね。いじめかよと。

風車小屋の火事をネロのせいにしたのは例によってコゼツの旦那の使用人ハンスなんですが。コゼツの旦那もそれをきっかけにネロを完全に村から追い出そうとするんですよね。もちろんアロアにもネロと会うなと言うし。

仕事もなくなって、食べるものを買う金もないネロなんですが、木こりのミシェルらのおかげでなんとかコンクールの絵を完成させることができるんですよ。

ミシェルは、ジェハンじいさんが亡くなった後、ネロを引き取って木こりにさせようとするんですが、ネロが渋るんですね。コンクールに出す絵を、おじいさんと暮らした家で完成させたい、と。

ミシェルはネロの気持ちを汲み取って、ネロを村に残してやるわけです。とりあえずの食糧と、少しばかりのお金を置いて。

ネロは、ネロの友人のジョルジュが働きに行ってしまって寂しがっているポールのためにアヒルのクロをポールにあげたりします。また、ミシェルがネロとパトラッシュの食事代として置いておいたお金を、アントワープの教会でルーベンスの展覧会に使ってしまったり(そりゃいかんやろ)。どんどん自分で自分の墓穴を掘っていくネロ。

なんかもう自虐路線まっしぐらでして……。ジェハンじいさんが死に、仕事もなくなり、村人からは火事の犯人扱いで無視されて、自虐的になるのもわかるんですが……。

これは子供向け番組だよなと確認せずにはいられません(汗)。

しかも一生懸命描いた「おじいさんとパトラッシュ」の絵は、コンクールに落選しちゃうし。

ネロは目の前が真っ暗。

コンクールの発表までその家にいさせてください、とミシェルに言っていたネロは、荷物をまとめて家を出る決心をします。

そんな折、コゼツの旦那が2,000フランをアントワープと村の間で落としてしまうという事件が発生。

それをネロとパトラッシュが発見して届けます。アロアの母親が、クリスマスの食事を食べていってくれと言うんですが、ネロは食事も食べず、疲れきって寝てしまったパトラッシュの世話を頼んで出て行きます。

コゼツが帰宅して、なくした2,000フランをネロが持ってきてくれたことを聞いて、「ネロが正直で心やさしい少年だ」ということに初めて気付くんですね。遅いっちゅうねん。

さらに、風車職人のノエルから、風車の火事の原因は油を刺していなかったハンスの責任だと知らされるコゼツ。「おまえはなんということをネロのせいにしたんだ」と憤慨するコゼツ。いやいや、あんたも立派な加害者やがな(汗)。

心配してネロの家に行くと、ヌレットおばさんもミシェルもみんな集まってる状態。そこへ、コンクールの審査員のひとりが、「ネロにはルーベンスの後継ぎになる才能があるので引き取って絵の勉強をさせたい」と言ってくるわけです。

みんな総出でネロを探す……んですが、結局は御馴染みのあのラストに繋がっていくわけです。

もうね。なんかね。

全てが遅すぎるんですよね。

最終回はほんと、最初から最後まで涙が止まりませんな。なんせどこにも救いがないんですから。

しかし、今更ながらに全てを観たんですが(実はほとんど初めて観た)、やっぱり名作と呼ばれるだけのことはあります。いやぁ、泣いたなぁ。