マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


響 ~小説家になる方法~ 第1巻

評価:5.0

純文学を真っ正面から(?)取り組んだマンガ。
文芸離れどころか活字離れで出版不況は全く出口が見えない。
そんな中、「小説 木蓮」編集部に送られてきた直筆原稿。送り主は「鮎喰(あくい)響」。
彼女がそんな現状を打破する救世主になるのかもしれない。
そんなリードで始まるのだが、登場する響の常軌を逸した行動に出る直情型文学少女だった。
高校入学初日、響が向かった文芸部の部室は、煙草を吸う不良たちのたまり場になっていたのだが……。
「文学」という単語からはかけ離れたシーンの連続なのに、そこには確かに「文学」がある。
ひょっとすると「文学」っていうのはそういうことなのかもしれないと思わせる妙な説得力に満ちている。
これほど面白い「文学」マンガがかつてあっただろうか。
最高の「文学」をありがとう。