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この映画はテレビでやっていた(もちろん吹き替え……)のをたまたま観たもの。ビデオ化されたとき結構評判がよかった。観ようと思ってたものの、なんだかどさくさに紛れて観ないまま終わってしまっていた。今回、テレビ放映を知ったのもその当日だった。「ああ、あの映画やるんだ。ちょっと観てみようかな」と思った程度。期待はほとんどしていなかった。
ところが、である。こういう期待せずに観た映画が面白いと、なんだか得した気分になるから不思議である。どうして今まで観ようとしなかったんだろう。こんなに面白いのに。はっきりいって傑作だと思います。
設定は1950年代のアメリカ。というかロサンゼルス(そりゃそうだ)。ハリウッドの古き良き時代ってなわけだ。舞台設定的にはアンタッチャブル的な感じだろうか。アンタッチャブルは1930年代の設定なんだけど、今の時代からすれば似たようなものである。
冷徹で出世のことしか考えないが、刑事だった父親が殺されたという経緯から、罪を犯した人間を心の底から許せないエド。
血気盛んで粗野で無口だが、友情や愛情を心の底から重んじる熱血漢、バド。
物語はこのふたりの視点から、複雑にからみあう人間模様と犯罪トリックをきわめて心地よいテンポで繰り広げていく。決して軽快ではないけれど、それとなくタフに進んでいくストーリー。また登場人物がみんなひとクセもふたクセもある。エドなんて、決して主人公とは思えないほど腹黒い。いやはや、クールなんてものじゃなく、むしろえげつない。
ストーリー的には、対極にあるふたりの刑事が、いがみあい反発しあいながら最終的には最高のパートナーとして事件を解決していくというありふれたものなのだが、物語の展開が秀逸。久々にハードボイルドの秀作に出会えたという感じ。「ロロ・トマシー」いいですねぇ。久々にいいキーワードです。『ユージュアル・サスペクツ』(これもめちゃくちゃ面白い!)の「カイザー・ソゼ」にはかなわないけど。狙いはだいたい同じような感じ。いいとこ突いてます。
まだ観てない人がいたら、是非観てください。たぶん今ならどこのレンタル屋さんでも借りられると思います。
ちなみに、「Confidential」は「秘密の」とか「機密」「裏情報」っていうことらしいです。知りませんでした。