マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


Kindle Fire HD 電子書籍読み比べ

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というわけで。

Kindle Fire HDで非公式ではありますが、SONY Readerアプリ、koboアプリ、BookLiveアプリ、kinoppyアプリを導入して読み比べをしてみました。

まずはSONY Reader。ストアはKindleストアに比べると出版社ごとに分けられていたり、特集が組まれていたりして使いやすいです。まぁ、Kindleストア以外は大抵そのくらいはできて当たり前のような気もしますが(笑)。

コンテンツの大きな違いは雑誌系。NHKテキストなど、紙で購読しているものもあるので、それが電子書籍として読めるのならそれもいいなと思います。ハリーポッターが全巻読めるのはReaderだけ、というのも魅力といえば魅力。

アプリもなかなかよくできていると思います。『のぼうの城』の上巻が2話分だけ試し読みできます。書籍の同期は、書籍購入時期によって同期範囲を指定できます。半年以上前に買った雑誌などが有無を言わさずダウンロードされる……なんてことはありません。辞書は、ローカルではなく、GoogleWikipedia検索をする仕組になっています。

続いて、kobo。インストールして起動すると、なんと勝手に書籍のダウンロードを始めます。お試し用として、青空文庫が何冊か入っているのですが、いきなりこれらを落とし始めます。むむぅ。

個人的に嬉しいのは、『ブラックジャックによろしく』の無料版が提供されているところです。Kindleストアでは100円と500円のものがあり、現在はどちらもご利用いただけません、となっています。著者が無料で配布していいと宣言している作品なので、無料で読ませて欲しいところです。

かなり高画質な元ファイルなんですが、レスポンスもいいですし、安定しています。最終ページに辿り着いたかどうかがわかりにくい(突然ページ送りできなくなってわかる)のと、読み始めたことを勝手にシェアしてくれるのがちょっとなぁと思います。せめてシェアするかどうか聞いて欲しい。引用をシェアするためにシェア設定したのですが、もしエッチな本だったとしてもシェアされちゃうかもしれません(笑)。そりゃ大問題ですよね(汗)。そういう本を読む危険のある方はシェア機能を使わないことをおススメします。

ゲーム端末の「実績」のようなよくわからない機能が充実しているのは面白くもあります。「無料本をたくさん集めました!」とか。余計なお世話やっちゅうねん。後、どれくらいの人が読んだかがわかる機能があったり、独自性は高いです。

辞書は内蔵しているようですが、和文書籍でもなぜか英和辞書を参照しに行っているようです。もちろんWeb検索はできます。シェアなどもできるようです。

さらに、BookLiveアプリ。こちらはストアのポイント制がなかなか魅力あります。毎月一定のポイントを購入すれば、購入額に合わせてポイントが付きます。ポイントは購入後5ヶ月間有効というのが留意すべき点ではありますが、割安で本が購入できると考えれば有用です。

さらに、半額セールやポイント還元セールも実施中で、Kindleストアのセールよりも安く入手できるもの(『黒い家』など)もありました。

ここで「やられた!」と思い、早速3000円分のポイントを購入。いくつか半額本を購入し、さらにNHK中国語テキストのバックナンバーを購入してみました。

NHK中国語テキストは、画像データですが、一部広告などが非表示になっています。元データの画質がやや荒く、ちょっと残念な感じはありますが、テキストを持ち歩けるという利点を考えれば買ってもいいかなと思えるものでした(なお、NHKテキストが電子化され始めた2011年4月号のデータなので、今は改善しているかもしれません)。

テキストデータについては、凸版明朝と凸版ゴシックが選べます。Kindleフォントに慣れてしまったため、凸版明朝はやや尖りすぎている印象があります。横線が細すぎて、ややかすれて見えます。

辞書はやはりネット検索。たまに文字情報がブラウザ(Dolphin)に正しく渡されない現象が出ています。また、ネットに接続していない状態でアプリを立ち上げると、ネットに接続されてませんというエラーメッセージが出ます。個人的にはそういう状況で起動することもあるので、いちいちメッセージが出るのは煩わしく感じます。

書棚は一番使いやすく感じました。作品ごとにまとめて表示できますし、購入してないものも並んでいるので、わざわざストアにいかなくても次の巻が購入できます。自分の書棚から直接次巻が買えるのはBookLiveだけかも。こういうかゆいところに手が届くのは、日本の出版社や書店が参画している恩恵ですね。とてもいいです。

kinoppyについては、前回レポートした通りです。やや不安定。それ以外は特に問題はありません。


読書端末として開発されただけあって、全般的にどのアプリでも読みやすいと思います。ベゼル(表面の非表示域)が広いので、書籍を読むように親指をベゼル部に置いても邪魔になりません。やや重いので、片手だと少し辛いですが、我慢できないレベルではありません。電池の持ちもいいので、スマホのように残量を常に意識しないといけないストレスはありません。

日本語辞書機能が内蔵されているのは今のところKindleだけのようです。電波の届かない地下鉄などで辞書が引きたいこともあるので、これは内蔵の方がいいような気がします。

その他は相性のようなものだと思います。個人的にはKindleアプリが圧倒的に読みやすいですが、BookLiveやkobo、Reader、kinoppyも、それぞれしっかり作られている印象です。電子書籍がそこそこ売れているからか、いずれもしっかりお金をかけて作っているのでしょう。

個人ユーザーとしてはライブラリがどれかひとつに集約できればそれに越したことはありませんが、今のような乱立状態も黎明期には必要かと思います。それぞれが機能をブラッシュアップさせて、サービスや機能面で他社のいい面を取り入れていってくれれば、ユーザーとしてはこれほど嬉しいことはありません。

実際、LIBRIe時代より格段に使いやすくなっていると思いますが、書棚管理の自由度ではLIBRIeに敵わないアプリも多いです。良い部分は取り入れ、悪い部分は改善する、そういう当然の機能開発がされるはずなので、今回の評価も恐らくは賞味期限の短いものだと思っていますし、そう願ってもいます。

欲を言えば、どこのストアで買ってもどのアプリでも読める、というのが理想ですけどね。

紙の本との決定的な違いですが、今の電子書籍は、その本屋のブックカバーでしか読めない契約で書籍を買わされているようなものです。紙の本だともちろん違いますよね。買ったからには、どの本屋のブックカバーでも読めるようにして欲しいと思います。裸や汎用のブックカバーで読めるのがもちろん最善ですが、権利を守るためにはある程度の制約は必要だと思っています。なので、将来的にはストア間でコンプライアンスを提携して、ライブラリの統合ができてくれればなぁ……という希望があります。

というか、それができなければ紙の書籍よりももっと価格を下げてもいいと思うんですよね。ストアが制約をかけているわけですから。

まぁ、だからこそセールがあるとついつい飛びついてしまうんですが(笑)。半額だったらそういう制約あってもいい! と割り切れますから。

第1巻をそのストアで買えば、その後も同じストアで買いたくなるのも人情なので、今のセールはやはりかなりの効果があるとも言えそうです。マーケティング戦略としてはまさに今、この瞬間に固定客を獲得することは重要だと思います。Kindleはそれに成功しつつあります。

というわけで、どんどんセールをやっちゃってください(笑)。