マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


Fire HDのKindle本読み上げに慣れてきた

ローマは一日にしてならず。しかしFire HDの読み上げは、一日にして慣れた。

最初は気になっていた誤読だけど、一日ほど聴いているうちにそれほど気にならなくなり、むしろ十分実用的だということがわかってきた。

確かに文脈で脳内補完できない部分もあるにはあるのだが、1ページに1回あるかないかくらいの頻度だった。もちろん、対象となるテキストの性質に左右されるが、個人的にはかなり実用に堪えるのではないかと思う。文字認識に置き換えてみると、これはかなりの認識率である。これなら文章を追わずに聴くだけでもある程度は大丈夫なんじゃないだろうか。

そう思って今朝方、台所の洗い物や弁当の準備をしながらスティーブン・キングの『IT』の2、3パラグラフを読ませてみた。すると、特に違和感もなく内容が入ってくるのに驚いた。

小説だし、吃音まじりの台詞があったり、読み上げさせるサンプルとしては難しい文章なのだが、それでも実際に読んでいるのとそれほど変わらないレベルには頭に入ってくるのに驚いた。

確かに、気になる部分はある。合成音声特有の機械感満載だし、会話文と地の文の区切りがなかったり、いろいろ気になる。登場人物「ベヴァリー」の略称「ベヴィー」などは、なんというかクイズ番組の不正解のブザーのような「ブビー!!」っていう感じの発音なので、毎回どぎまぎするのだが、そういうのも全て、「こういうものだ」と思えば慣れてくるものなのだ。

これなら外出先で歩きながら聴く、なんていうことも可能かもしれない。聞き取れないところなどもあるが、本を読んでても意味の分からない言葉を読み飛ばして読むなんていうことはしょっちゅうあるわけで、割り切ってしまえばそう苦痛でもない。

また、読み上げながら文章を追うことで、意外な効果もありそうだということもわかった。

私の読書スピードは比較的遅く、脳内で台詞を読み上げるタイプなので、Fire HDの等倍の読み上げ速度より速く、2倍の読み上げ速度よりやや遅いくらいである。

Fire HDの読み上げは、0.7 → 1 → 1.5 → 2 → 3 → 4倍と変化させることができる。1.5倍だと、私の読むスピードより若干遅いが、2倍だとちょっと速いという感覚。

試すまでは、音声読み上げがない方が自分のペースで読めるので楽だし速いんじゃないかと思っていたのだが、自分の調子によっては(特に眠いときや、注意力が散漫なときなど)、気づいたら同じところを何度も読んでいたりする。読み上げに沿って読むと、強制的に文章が頭の中に入ってくるので、トータルで見ると単位時間あたりの読書量は増えるようだ。

読み上げ速度を上げて、自分の速度より若干速く読むと、これはこれで結構普通に読めるのに驚く。自分の読むスピードがブーストされているようで、なかなか心地いい。

2倍、3倍、4倍と試してみたが、意外と4倍でもそれほど問題なく頭に入っていった。聴くだけだと何を言っているか聞き取りにくいが、文章を追っているのですんなり入ってくる。また、読むだけだとこのスピードは結構疲れるのだが、音声として断片ながらも圧縮されたような文章が入ってくるので、なんとかついていくことができる。

もちろん、脳内音読しない人にとってはこれでも遅いのだろうが、自分の読書スピードからすれば、まぎれもなく速い。

4倍のスピードで読むのに慣れてくると、音声がなくてもそのスピードで読むのがそれほど辛くないようだ。これを続けていけば、読む速度の底上げにつながるんじゃないかと思わなくもない。

そんなわけで。しばらくFire HDの音読をいろいろな本で試してみたいと思う。

本を聴くならAudibleの方が断然いいのはもちろんなのだが、それについてはまた別の機会に。