マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


十二国記 魔性の子

評価:3.5

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

東京の私立高校に教育実習生としてやってきた広瀬は、世間に馴染めない生徒だった頃の自分によく似た生徒・高里に妙な親近感を持つようになる。
高里は小学生の頃、家の庭で神隠しにあい、一年後に記憶を失った状態で発見されたという。
そんな高里の周辺では、昔から不可思議な現象が発生するという噂があったのだが……。

十二国記が完結したということで、この機会に全巻読むことにしたのだが、どこから読めば良いのかは諸説あるらしい。
この『魔性の子』はエピソード0に相当する。エピソード1の『月の影 影の海』とどちらから読むか迷った末、発行年が1991年の『魔性の子』から読むことにした(『月の影 影の海』は1992年)。
魔性の子』は外伝と呼ばれるだけあって、「十二の国に十二の王」ということと、王にはそれぞれ麒麟が従っている、ということはなんとなくわかる。しかし、それ以外のことは闇に包まれたままという印象である。
十二国は現実の日本とは別の世界にありそうなことと、それでいて行き来する手段がどうやらありそうなこと、妖怪的な獣が王との契約によって従っているらしいことなどがわかる。
舞台が現実の日本ということで、まだそこまでこの世界観にのめり込むほどの衝撃はなかったように思う。本編を読んでからだとまた違ったのかもしれないが、読む順番としては十二国が何なのかわからない状態で読むというのは、主人公の広瀬の視点にマッチしていると言えるだろう。

今後の本編が楽しみである。