マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


12モンキーズ

評価:5.0

12モンキーズ(字幕版)

12モンキーズ(字幕版)

  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: Prime Video

ブルース・ウィリス主演。
1996年から1997年にかけて何者かによってばらまかれたウィルスにより、人類は地上での生活を捨てて地下に潜っていた。
地下監獄から地上調査を命じられたジェームズ・コールは、その行動力を評価され、新たな任務を与えられるのだった。

1995年頃の映画と言えば、『ダイ・ハード3』、『スピード』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『マディソン郡の橋』など、名だたる名作揃い。
わかりやすい筋の映画が好まれる傾向にあった中で、異色だったのは『セブン』と『12モンキーズ』だろう。
個人的にはわかりやすいのも好きなのだが、『セブン』も『12モンキーズ』も印象に残っていた。

しかし、あれから25年近く経ってみると映画の内容はほとんど覚えていない。『セブン』はそういう意味もあって昨年再視聴したのだが、当時はわからなかったものが見えたような気がした。
この作品も同様だった。
当時は時間軸が行ったり来たりする上、主人公のジェームズ・コールも事情を知らないままに過去の1990年に送り込まれる展開に、頭の中が「?」だらけになっていた。
徐々にその理由や任務が明らかになってくるのだが、薬物による混乱や、ブラッド・ピット演じるジェフリー・ゴインズの強烈な個性がさらに混沌を呼び、何が何やらわからなくなるのである。
おまけにジェームズの記憶に何度となくフラッシュ・バックする空港のシーンが、流れるたびに微妙に変化していたりする。
何度も見る夢というのは大抵そういうものなので、それはそれでリアルなのだが、観てる方は混乱にさらなる拍車がかかる。

作品の中で、古い映画を観ながらジェームズが語るセリフが印象深い。

「おれ達の過去も映画を見るのと同じ。映画は同じなのに見る自分が変わって違う映画に思える。違うものに気付く」

このセリフはまさにこの映画そのものを示唆している。見終わってからこの映画を見返すと、様々なものにメッセージが込められている。
キャサリンがジェームズと1990年に会ったシーンで、どこかで会ったことがあるような気がすると話していたが、それは1917年の写真のことを暗示しているのだが、初見では見落としてしまっていた。

この作品は2015年からドラマ化され、すでにシーズン4まで出ているらしい。改めてこの映画のすごさを思い知ったので、ドラマシリーズにも手を出してみるとしよう。

なお、ゴインズ博士の目隠しには『BIOHAZARD』と記されているが、プレイステーションで『バイオハザード』シリーズが始まるのは、この映画が発表された翌年の1996年だったりする。