マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


アウトブレイク

評価:5.0

アウトブレイク (字幕版)

アウトブレイク (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

ダスティン・ホフマン主演。
アフリカのザイールで発生した固有の伝染病「モターバ」。
伝染速度も致死率も高いこの伝染病は、かつて1967年に発見され、米軍が検体を採取・保管し、感染者が出た村を爆撃して記録を葬り去ったものだった。
それが現代に再びザイールで感染者が発見され、一旦は封じ込めに成功したかに見えたが、ウイルスを体内に宿した猿が密輸されるとともに、アメリカに上陸することになる。
軍の研究機関に所属するサム・ダニエルズは、離婚したばかりでCDCに転属した妻ロビーとともにこの伝染病に対峙することになるのだが……。
映画自体は学生の頃に観たことがあるが、猿と防護服のイメージが強すぎてほとんど筋を忘れていた。ここ最近の感染病系映画の中でも、映画的なデキは正直言ってレベルが違うほど高い。感染経路を追うことと、そのルートを辿ることによって抗体を持った血清に辿り着けるというのは、今から思えばちょっと短絡的すぎるかなとは思えるが、このジャンルの一つの方向性を示していると言える。
ハリウッド映画的な展開で言えば、出来事のルートを辿ることがすなわち物語の目標とするということは、物語の王道だと言える。聖杯はひとつでなければならないし、万能でなければならない。血清の精製にどれくらい時間がかかるかなどということは、映画のストーリーとしては些末なリアリティだし、血清の拒否反応などは無視してもいい。もちろん、治験などは目を瞑ってしまっていいし、軍令違反はやらない方が倫理に反するのである。
1995年というと、日本では阪神淡路大震災があり、地下鉄サリン事件があった年である。サリン事件の時の防護服のイメージが、この映画のリアリティを否が応でも高めたという点は否めない。日本での公開がちょうどサリン事件直後の4月だったということで、個人的にも非常に印象に残っている映画だった。
それなのに、再視聴してみると、猿の印象と防護服のイメージしか残っていなかったというのだから悲しいものである。いくつかのシーンに、見覚えはあったし、大体の展開はほぼ予想できたので、完全に忘れたわけでもなかったのだが。
とりあえずこれで感染症ものの映画のうち、メジャーどころは制覇したかと思う。流石に食傷気味なので、次はもうちょっと明るい映画でも観てみようかなぁ。