1996年のカンヌ映画祭で話題になった作品なんですが。
全体的に古い感じがするのはまぁ仕方ないとして。ストーリー展開はやはり上手いです。
何が常識で何が非常識なのか、元々なんのためにこんな事件が起こってるのかが、だんだんぼやけていく感じがします。動き始めてしまった歯車は誰も止められない。誰が望んでいるわけでもないのに、誰も望まない方向へ拍車が回っていく……。
スティーブ・ブシェミがまたいい味出しています。彼のプロモーションビデオと言ってしまってもいいくらいな感じです。ブシェミの場合、コリン・ファレルとは違い、出る作品を問わず全く同じような役柄になってしまうんですけども。『デスペラード』のときとほとんど同じような感じ。はったりで人生を突っ走る変な顔。映画に出てくる目撃者の証言もみんな必ず「変な顔の人」と言うんですね(笑)。確かにそれ以外に表現しにくい個性的な顔してます。
アクションシーンがすごいわけでも、ストーリー展開がすごいわけでもないんですが、観た後にずっしりとくる重さのある映画でした。