マンガ、映画の感想をベースに、たまにいろいろ書いてます。


『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』 ギリシャ式

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング [DVD]
原題は『MY BIG FAT GREEK WEDDING』。邦題では省略されたGREEKなんですが、なんで省略されちゃったんでしょうね? そこが一番大事だろうと思うんですが。「BIG FAT」から受ける印象は「とっても太った」という感じだったんですが、どうやら違うようですね。「大仰な」とかいう意味だそうです。

題名しか知らなかったので、「太ったギリシャ人のお姉さんがやせて綺麗になって結婚する話だろう」くらいに考えていました。まぁ当たらずとも遠からじですが、あんまり「太った」というのは関係ありませんでした。確かに「内向的」⇒「社交的」という変化はあるにはあるんですが。

どちらかというと、「ギリシャ人のちょっと変わった一家の結婚式」がテーマの映画です。

アメリカ社会におけるギリシャ人というものがどういうものかというのがよくわかります。大家族で、ギリシャ国粋主義で、やかましくてあつかましい。でも一緒にいるとにぎやかで楽しい。どちらかというとラテン系な感じです。ギリシャとラテン系って全然関係なさそうなイメージだったんですが、そういえばイタリアの近所ですもんね。似てて当然なんですね。

ほのぼのとしたハッピーストーリーで、全体的に微笑ましい雰囲気に溢れています。

「結婚というのは本人同士がするものではなく、家族同士がするものだ」とよく言われるんですが、実際に結婚式なんかを経験すると実感として理解できる言葉なんですよね。結婚するまでは私も「結婚はお互いが好きならそれでいいだろう」と考えていたんですが、実際に結婚してみると身に染みる言葉なんですね。そういう意味でいえば、結婚でいろいろ苦労した経験がある人は、非常に共感できる映画だと思います。

日本人同士の結婚でも、地方によってシキタリが違いますもんね。ましてや国籍が違えばさらに厄介なことになります。

その雰囲気がハツラツとしたタッチで描かれていて、観ていてスカッとしました。下品に走り過ぎないギャグのセンスも大好きです。

ところどころで出てくる「名言」がまたギリシャ的でいいですね。「男が『頭』だとしたら、女は『首』なのよ。『頭』をどちらに向かせるかは『首』次第」とか「『生い立ち』は人生を縛るものじゃない。今後の糧にするものだ」とか。「言葉」フェチの私にとっては贅沢な映画でした(笑)。

同じような「異文化」ものを扱った映画に『ベッカムに恋して』がありましたが、『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』の方が圧倒的に良作でした。まぁあんな駄作(きっぱり)に比べることもないと思いますが。