評価:
(ぽすれん) (Amazon)『クレヨンしんちゃん』なんて正直言ってまったく興味もないし、予備知識もなかったんですが。
なぜかいろんなところでウワサを聞くので、ついに観ることにしました。
キャラクターも全くわからないまま観たんですが、これは確かになかなか面白かったです。
20世紀(というか1970年頃の日本)を再現した「20世紀博」というものが埼玉の春日部にできて、大人たちが昔を思い出して童心に帰る、というところから物語りは始まります。ちょうど大阪万博の頃を再現しているので、タイムリーといえばタイムリーです。
オトナとしてターゲットになっているのは私よりも若干上の世代なんでしょうね。大阪万博の頃に子供だった人たちでしょうか。この世代のオトナたちにとってはこの上なく懐かしい時代設定になっています。
まぁ確かにこの時代を懐かしむ風潮というのはあって、『20世紀少年』なんかもまさにこの頃をターゲットとしてますもんね。
80年代も充分20世紀っぽいと思うんですが、「20世紀」=「1970年代」という暗黙の了解がどこかにあるような気がします。「なめんなよ」とか「一世風靡セピア」とか「ウォークマン」とか「ガンダム」とか「バース・掛布・岡田」とか、80年代文化も十分懐かしいし十分20世紀っぽいんですけどねぇ。
まぁそんな時代懐古話はさておき。
映画としては小憎らしいほどよくできております。
ベースが『クレヨンしんちゃん』なので、毒舌な男の子が主役のホームコメディマンガ風味はどうしても拭えませんが、20世紀博に取り込まれていく大人たちなどは、かなりSFチックです。一本の独立した映画作品として充分鑑賞にたえます。
見ごたえがあるのは、タワーでのお股がヒューッとなるシーンですね。私が高いところ苦手だからかもしれませんが、かなりお股ヒューッとなりました。
あとはラストにいたるクライマックスですね。ああいうのを観ると、わかっちゃいるけど泣いちゃいます。
子供向け、というよりは完全に子供連れのオトナ向けの作品ですね。まだ観ていない人は是非チェックしてみて欲しい作品です。もちろん、子供たちが喜びそうなシーンもたくさんあるので、そういうの(ドタバタギャグ)が苦手な人にはちょっと向いていないかもしれませんけどね。